社内に潜む脅威と戦う---適切な統制を実施する - (page 4)

Tom Olzak (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-03-22 07:30

タイミング

 CERT Insider Threat Centerによると、知的財産の窃盗のほとんどは従業員が会社を去る前後1カ月の間に発生しているという。また、この期間はIT部門に在籍している内部関係者が時限爆弾やバックドアなどを製品システム内に仕掛けるタイミングともなっている。上述の行為が報告されているかどうかにかかわらず、従業員が退職を願い出てきた際には、当人の過去の行動をチェックするのが、セキュリティ面から見れば明らかによいだろう。

 行動のチェックには、作成されたアカウントやアクセスされたファイル、実行されたファイル転送、ネットワーク外へのデータの持ち出しに関係するその他の行為も含まれる。怪しい、あるいはめったに使われない管理者アカウントのチェックも重要だ。とは言うものの、特権アカウントの監査は、退職願いが出されてから行うようであってはいけない。これは通常の監査プロセスの一部となっているべきなのである。

 最後になったが、詐欺行為は従業員の退職前後の時期とは何の関係もなく、長期間にわたって行われるのが一般的となっている。実際のところ、退職によって不正な利益を得続けるための共謀行為ができなくなってしまう。このため、進行中の不正行為に対しては、監査と従業員教育が最も効果的な監視ツールとなるわけだ。

まとめ

 信頼できる従業員であっても、さまざまな理由で悪の道に向かってしまう可能性がある。またこういった理由は、職場での彼らの処遇とは何の関係もない場合がある。理由はさまざまである一方、企業が内部関係者による金銭的被害を毎年被っている現状を考えた場合、主要な従業員全員をしっかりと監視しておく必要性がある。筆者は、従業員というものがすべからく誠実でないと主張しているわけではない。しかし、あなたの信頼している従業員が道を踏み外してしまう日がいつか来るはずだ。

 悪事を働こうと計画している人々を見抜くのは、従業員に対する気付きや監視、警告、対応をしっかりしていない限り、しばしば困難となる。さらに、明文化して展開されたポリシーに基づいて、退職予定者のシステム上やネットワーク上での行動を詳しく分析することも検討してほしい。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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