斎藤氏は、IaaS/PaaS「Windows Azure」上で動作する(「Hadoop on Windows Azure」として知られる)「HDInsight Service」を3月19日からプレビュー版の提供を開始したことに触れながら、「近いうちに本番をリリースできる。今後もHadoopには投資を続けていくことになる」と説明。Windows Server上で動作するHDInsight Serverの投入計画があること、SQL Serverの次版では「ビッグテータ時代のニーズに対応した製品へと進化する必要がある。インメモリ上で動作する機能を搭載したものになる」などとした。
同社は、ビッグデータ導入支援体制の強化として「データベース専任エンジニアを2012年から増員。ユーザー企業の業態や業種に専門知識を持った体制を構築しているほか、Oracle Databaseからの移行アセスメントサービスや、ユーザーの実データを利用したPoC(Proof of Concept=システムの概念実証)サービスを用意している」(梅田氏)という。
ビッグデータでの具体的なパートナー協業での導入事例として、エイチ・アイ・エスとオムロン、サークルKサンクスを挙げている。
エイチ・アイ・エスはSQL Server SSD Applianceを採用し、旅行予約ウェブシステムを更新。複雑な検索要件に対して高いレスポンスを実現し、処理スピードはベンチマークで約10倍に高速化したという。2012年10月に採用を決定し、12月中旬には稼働したという。
オムロンは、製品と生産品質向上に向けて、20ミリ秒ごとにデータを送信するリアルタイムデータ処理と、センサデータの活用によるコスト削減、リードタイム短縮、安全操業など現場力の強化に取り組んだという。サークルKサンクスは個店競争力の強化に向けて、1日平均500万~600万件のデータを処理し、バッチ時間を6時間から1時間に短縮。高精度なデータ分析で販売促進活動につなげているとしている。