データ・アプリケーション(DAL)は3月26日、自社の電子データ交換(EDI)パッケージソフトウェア「ACMS(Advanced Communication Management System)」シリーズのIaaS/PaaS「Windows Azure」上での動作を検証し、完了したことを発表した。今後はクラウドでのEDIシステムの導入も進めていく。
検証を完了したのは「ACMS E2X」「ACMS B2B」「AnyTran」の3製品。ACMS E2Xは、企業内外のシステムとアプリケーションをシームレスに連携させるBtoBインテグレーションサーバ、ACMS B2Bは企業間でデータをスムーズに連携させる環境を構築するサーバ、AnyTranはデータ変換ツールになる。Windows AzureをIaaS基盤として利用した。
ACMS E2Xは、企業間のさまざまな形態での電子商取引に対応する機能やシステム、アプリケーションを統合する機能を1つのパッケージで提供。Windows Azure上のEDIシステムとオンプレミスの基幹業務システムを連携させて、BtoB業務プロセス全体をカバーするシステムとして運用できる。
基幹系システムのクラウド移行が進行していることを受けて、今後Windows Azure上で検証済みのアプリケーションとACMSシリーズとを連携させることも可能だ。AnyTranは、国内外の各種EDI標準をはじめ、XMLやSAP IDoc、CVSなど多様なフォーマットに対応する汎用フォーマット変換ツール。クラウド上のシステムやアプリケーションなど、さまざまなデータ交換でフォーマットの違いを吸収できるツールとして利用できると説明している。
企業間取引は、電話や郵送、ファクスからネットを経由した電子取引に変わりつつある。ACMSシリーズがWindows Azure上で利用できることで、スピードを要求する企業、システム投資力が弱い中小企業も含めて、EDI導入企業の裾野を拡大させたいという意向を明らかにしている。
東日本大震災以降、災害復旧(DR)対策の重要性の認識が高まっている。この事態を受けて、ACMSシリーズの2012年の導入実績をみると、EDIシステムのDR用、システム障害を考慮した二重化、バックアップといった用途での追加購入が多いという。製造業や商業といった業種で、この傾向が顕著だったと説明。Windows AzureをIaaSとしてEDIシステムを構築できることはDR対策でも有効な施策とメリットを強調している。
各パッケージの販売価格は、Windows Azureで利用する場合も従来と変わらない。税別価格は、ACMS E2Xが基本機能で150万円~、ACMS B2Bが基本機能で100万円~、AnyTranが120万円。DALのパートナー企業74社から販売される。Windows Azure上でACMSシリーズをSaaSとして提供するサービス企業向けのライセンス体系も用意している。