--モバイルはこれまでのエンタープライズシステムとは異なり、迅速な開発や展開が求められている。
顧客が抱えている課題の中でも、データ管理は大きいようにみえる。HANAはこれを解決する。
これまでのリレーショナルデータベースではデータウェアハウス、データマート、OLAPキューブとデータを移行させる必要があり、トランザクションが発生した際に、ある情報から何らかのアクションを起こすまでに長い時間がかかる。
HANAは業務系と処理系を同時に分析でき、さまざまな機能を1台に集約できる。今回、これに加えてIntelとの提携によりIntelのHadoopディストリビューション「Intel Distribution for Apache Hadoop」をHANAに密に統合できるようにする。これは大きなパワーをもたらす。SAPは1台のデータベースによる垂直型アプローチが今後の姿と考えている。
マシン間通信と業務システムとの連携を示すコンセプトとして展示していたスマート自販機。NFCリーダーに携帯電話をタップするとユーザーを認識、割引価格などのオファーを行う様子をデモしていた
HadoopとHANAの統合がもたらすメリットは?
Hadoopが得意とするビックデータの処理とHANAのスピードが出会うことにより、さまざまな新しい可能性が開ける。
Hadoopは数百テラバイト級のデータから特定の顧客についての情報を効率よく探せるという長所を持ち、バリューが低い、あるいはバリューが分からない膨大な量のデータをHadoopが取り扱うことで、コストを押さえることができる。分析にはHANAとの統合を利用して深いレベルでの分析、インタラクティブなクエリにも対応する。
強調したいのは、HANAは非常にパワフルなプラットフォームになった点だ。HANAで動くのはSAPのモバイルソリューションだけではなく、SAP Business Suiteも動く。OLTP、OLAPに加え、Hadoop統合によりビックデータも動かせるようになり、Business Suiteとモバイルの両方をHANAの上に統合できる。