多くのパブリッククラウドは、「標準化」や「経済性」を求めたアーキテクチャを採用している。しかし、早瀬氏は「企業の情報システムは、それだけでは成り立たない」と指摘。安定性やシステム連携のような独自性を考慮しなければ、情報システムとして機能しないというのだ。
「そこまで踏みこんで考えるのが、NSSOLのミッションクリティカル・クラウドだ」(早瀬氏)
「スペック表には出てこないクラウドの強さや弱さを見る必要がある。オートスケールができるとか、従量課金ができるというのは、基幹系システムのクラウド化において大きな要件ではない」(早瀬氏)
スペックという点ではセキュリティも見逃せないが、早瀬氏は「対外攻撃を防ぐサービスには、同じようなものが複数ある。そこは差別要素にならないだろう」と語る。
では、absonneが訴えるセキュリティは何か。それは「独立性」だ。absonneでは、他社ユーザーの環境変化の影響を受けないように独立性を担保しているという。「そのためにはネットワークの独立性が重要となる。NSSOLは、OpenFlowのコンセプトと同じことを『仮想アプライアンス』として、先行して取り組んできた。メンテナンス性もセキュリティも同時に向上できる」という。
半世紀に渡るミッションクリティカルシステムの運用実績
運用という点ではどうだろうか。早瀬氏は「24時間の運用サービスを提供するベンダーもいるが、標準構成に則っていなければいけない。ミッションクリティカルなシステムにはさまざまなシステムがつながっているが、あるインターフェースを外したら、そのベンダーはサポートしなくなる」と警鐘を鳴らす。
この点、NSSOLのアプローチは明快で「システム全体を巻き取って運用できる」という。
また、早瀬氏は運用の実績も強調。「NSSOLは、生産管理や金融などの高度なミッションクリティカルシステムを半世紀に渡って運用してきた。これは他社にはない実績。クラウドになっても運用力は変わらない」と述べている。
重要なのは「インテグレーション力」
以上、NSSOLのabsonneのサービス内容を紹介してきた。早瀬氏が言うとおり、クラウドの利用は、従来のソフトウェアやハードウェアを購入することと訳が違う。単純に○×表やスペック表でサービスを選定してしまうと、実運用を開始してから後悔することになろう。
また、「NSSOLが提供するクラウドサービス」という点で、一つ補足しておきたい。それは「インテグレーション力」だ。
現代の基幹系システムに接続するシステムは、10や20はざらにある。そのため「What=何を」つなげるかよりも、「How=どうやって」つなげるかが重要になる。
もともとインテグレーション力に定評のあるNSSOLには、「どうやってつなげるか」を考える力、そして実行する力が十分に備わっているだろう。それは、顧客の既存環境とミッションクリティカル・クラウドをシームレスにつなげた実績からも見て取れる。
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