パートナー向けの垂直統合型システムも
NECの垂直統合型システムで興味深いのが、Application Platform Suiteに含まれる「Application Platform for Partners」というモデルだ。これは、NECのパートナー企業が開発するアプリケーションを組み込んで最適化される。価格は個別見積もりだ。
例えば統合基幹業務システム(ERP)のパッケージや会計システム、医療向けパッケージを開発するパートナーとNECが共同で製品化。パッケージをNECが工場でインストールして、出荷するという形態になる。ユーザー企業は環境設定だけで利用できるようになるという。
導入後のシステムのサポートは、パッケージを開発するパートナーが担う。これまでの垂直統合型システムでは、こうした形態の製品がなかったことで興味深いと言える。
NECはApplication Platform for Partnersのためにパートナー支援センターを5月に設立。全国約550社のパートナーから製品化の相談を受け付ける窓口を東京に置く。パッケージを組み込んで出荷するサービスに必要となる仮想環境などを事前に検証する。
NECは今回のSolution Platformsの提供にあわせて、「Solution Platformsサポート」も開始する。導入後の運用監視段階の負荷を軽減する各種のサービスを提供する。同サービスでは「プラットフォーム通報サービス」「HS遠隔バックアップサービス」「ワンストップ保守サービス」などが含まれる。
プラットフォーム通報サービスは、システムを構成するハードやソフトのアラートをNECの監視センターで24時間365日体制で監視、システムダウンを未然に防止できるという。オプションで提供されるHS遠隔バックアップサービスは、NECのバックアップストレージ「iStorage HS」シリーズで遠隔地にバックアップを取るというものになる。
サービスインを早めることが目的

福田公彦氏
福田氏は、Solution Platformsのメリットとして「基盤構築期間を最大60%短縮、導入コストを最大40%削減できる」と説明する。
通常、企業がシステムを導入する際には、目的とするシステムに必要なOSやサーバ、データベースなどのミドルウェアの組み合わせや性能などを検証した上で、パッケージを導入したり、スクラッチで開発したりといった手順を踏むことになる。
今回のSolution Platformsは、そうしたシステム導入にかかる基盤部分の時間やコストを削減しようという狙いがある。NECの今回の製品では、NECがこれまで獲得したシステム構築のノウハウ、約5000件という知見をもとに安心できる推奨構成がベースとなっている。
各製品では、50%短縮など構築期間を短縮できることを打ち出している。そのため、Solution Platformsは「サービスインを早めることを目的にしている。(システムを維持するための)サポートは通常の個別SI案件と同様」(福田氏)になる。
Solution Platformsは今後も拡充していく。10月以降にData Platform Suiteに次期Xeonを搭載したサーバ(開発コード「Mona」)とインメモリデータベースエンジン(開発コード:「Hekaton」)を搭載する次期SQL Serverに対応するモデルも投入する。現在提供している、スケールアウト型RDBMS「InfoFrame Relational Store」を活用したデータベースモデルも開発している。