Yahooは現在も、こういったトレンドに追いつこうとしている最中である。同社はITの世界で大きな存在感を見せている(米国において、そのホームページはアクセス数でいまだトップであり、同社のデータベースには多数のユーザーが登録されている)。しかしYahooは、こういった膨大な数のユーザーを、似たような嗜好を持つ個人の集団に分類し、うまく売り込んでいるとは言い難い。また、そこに力を入れているようにも見受けられない。
例えば、Yahoo Sportsのホームページに今アクセスしてみると、そこは現在、Leinenkugelビールにとって壮大な広告環境、すなわち業界用語で書くとリーダーボードやスキン、フッター、MPUが広がっている。また、NetflixやState Farm自動車保険の小さな広告も表示される。筆者は時たま、Leinenkugelのビールを楽しむのだが、ちょっとした問題がある。その問題とは、このビール会社がウィスコンシン州にあり、米国中西部に重点を置いているという点だ。従って、同社のビールを筆者の住むフィラデルフィアで見つけるのは極めて困難なのだ。また、筆者は既にNetflixの顧客となっている。さらに、車を持っていないため、自動車保険に入る必要はない。このため、筆者は自らの居場所を特定できるIPアドレスはおろか、自らの嗜好についての十分な個人情報を提供する気があるにもかかわらず、的確とは言えない広告を目にする結果になっている。なお、このウェブページ上の見出しには、筆者の住んでいる地域のチームに関するものは1つもない。
このため、YahooがFacebookの真似に見えない方法で(同じやり方はもう使えないだろう)、こういった個人情報を手に入れ、製品に反映していくための手段を必要としているのは明白だ。この種のインフラは同社が将来、収益を得るために欠かせないものとなるはずだ。ユーザーターゲティングが宣伝文句にたがわないものとなってくる頃には、それはもはや避けて通れないものとなっているだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。