富士通ネットワークソリューションズ(FNETS)は、私物端末の業務利用(BYOD)に対応したネットワークプラットフォーム「モバらくだ for スマートデバイス」を開発。4月末から出荷を開始する。
同社に加えて、富士通自らも同製品を販売していく考えで、注目が集まるBYODにおいて、セキュアな環境の確立が課題となっている現状を解決するものとして、積極的な販売姿勢をみせる。
モバらくだ for スマートデバイスは、企業でスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスを利用する際に課題となるセキュアな環境を実現しながら、業務の効率化を図ることができるソリューションだ。
スマートデバイスと、アクセスするシステムとの間のネットワーク上に、強固なセキュリティ環境を構築。既存のウェブベースの社内システムやクラウドサービスに手を加える必要がなく、スマートデバイスの利用が可能になるのが大きな特徴だ。
同社では、「これにより、オフィスワークだけでなく、営業ワークや接客、工事などの現場でもスマートデバイスを活用する、安全で快適な新しいワークスタイルを実現できる」としている。
すでに同社では、自宅や外出先のPCから、オフィスのPCにアクセスして、ExcelやWordなどを操作できる「モバらくだ for PC」を開発した経緯があり、これをベースに画面転送技術などを活用することで、スマートデバイスでの利便性向上を図ったという。
スマートデバイスでは表示が難しいFlashやActiveXでコンテンツを表示できる独自機能を採用したほか、社内システムやクラウドサービスにも、シングルサインオン(SSO)で簡単に接続できるようにすることで、システムごとに異なるIDやパスワードを入力する煩わしさを解放できるという。
また、会社が支給するスマートデバイスに限らず、個人が所有するスマートデバイスも簡単に利用できるように、画面転送技術を使用することで、利用端末にはデータを一切残さずに、社内システムやクラウドサービスにアクセスできるようにした。また、利用者は、業務で利用するデータなどを端末にコピーできないため、セキュアな環境で利用許可を行えるという。
「いまだけ、ここだけ、あなただけ、といったような制御が可能になる。利用者の場所、時間帯にあわせて利用可能なメニューを端末に表示することができる」とする。
さらに、クラウドサービスなどの中間パスワードを公開しないため、社内システムやクラウドサービスの私的利用を防止するほか、退職者などの利用対象者以外のアクセスも防止。紛失した端末からはアクセスできないように規制することもできる。
価格はハードウェアとソフトウェア、構築、保守費用を含めて、400ユーザーの場合が初年度1200万円、次年度以降は400万円。2000ユーザーでは初年度3000万円、次年度以降は1200万円となっている。
同社は、情報通信ネットワークシステムの企画、コンサルティング、設計、施工、現地調整、運用、保守、機器販売を行う、富士通の子会社。すでに、営業業務を中心にモバらくだ for スマートデバイスの社内実践を行っており、今後は工事現場にも活用することで 作業の効率化や品質向上を図る考えだ。モバらくだ for スマートデバイスで、今後3年間で40億円の事業規模を見込んでいる。