ソーシャルと結合した新しいモデル
ビジネスモデル、豊富なコンテンツ、視聴意欲をかきたてるソーシャルネットワークの活用。この3つを総動員したサービスが世界中の注目を集めています。2008年にサービスを開始し、1年余りで800万人のユーザーを獲得し現在も驚異的な成長を続けているSpotifyです。
特徴は4大レコードレーベル(ソニー ミュージックエンタテインメント、EMI、ワーナー ミュージック グループ、ユニバーサルミュージック)と契約し、豊富なコンテンツを合法的に提供できること。
視聴意欲をかきたてるソーシャルネットワークの活用として、Facebookとの連携を強みとしていることです。サービス料は広告つきの無料サービスと月額定額サービスがあり、Facebookと連携することによって、Facebookで共有された視聴したい楽曲を簡単に共有できることで感動の共有を可能にしていることです。
音楽コンテンツでの成功の条件
NapsterからApple、AmazonそしてSpotifyの流れを見ると、音楽コンテンツでの成功要因が見えてきます。まとめると、次の3点に集約されるでしょう。
- 豊富なコンテンツ
- 合法である事(著作権など)
- 視聴意欲を高める仕組み(レコメンデーション、ソーシャルネットワークの連携)
この点を踏まえ、次回はメディア・デモクラシーの大本命である、映画や放送コンテンツを扱う動画の世界をテーマにメディアの全体像に迫ります。

- エリック松永(Eric Matsunaga)
- プライスウォーターハウスクーパース株式会社 エンターテイメント&メディア リードパートナー
- バークリー音学院出身のプロミュージシャンという異色の経歴を持つアーティストであり、放送から音楽、映画、ゲーム、広告、スマホまで、幅広くメディア業界の未来をリードする人気メディア戦略コンサルタント。アクセンチュア、野村総合研究所、デロイトトーマツコンサルティンクグメディアセクター APAC統括パートナーを経て、現職。主な著書:『クラウドコンピューティングの幻想』(技術評論社)、『イノべーション手法50 -デフレ時代を勝ち抜く経営術-』日経BPムック。GQでも連載を掲載中。その他、メディア系専門誌、ウェブメディアに執筆多数。多方面での講演も話題になっている。