エリソンCEOと孫社長「インフラとしてのクラウド」を強調--Oracle CloudWorld Tokyo - (page 3)

大河原克行

2013-04-09 12:48

 「私は、新30年ビジョンの中でクラウドを人類最大の資産にしたいと語った。今、ソフトバンクグループの約1000社のインターネットカンパニーがすべてをクラウドに移行させているところである」と同社のクラウドに対するスタンスを示した。

 孫氏はまた「30年後を考えるに当たって、300年後の世界を考えてみた。300年後には、CPUの“垓(1兆×1億)”の3倍のトランジスタ数がワンチップに入ることになる。これにより、人間にしかできなかった発明する、推論するということができるようになり、ロボットは人間と共存するものになる。このチップをおでこに貼れば、人体間通信で1000km離れたところも、頭の中に思ったことがテレパシーのような形で相手につながり、意思が疎通できる。そして、人間の平均寿命が200歳になるだろう」と未来像を説明。「それに比べると、30年後は、退屈しそうなぐらい世界である」と語り、2040年に想定される環境を示しながら、「32Gバイトではなくて、32PバイトのiPhoneが登場することになる」と話している。

対談するEllison CEOと孫社長
対談するEllison CEOと孫社長

 孫氏はクラウドの3大要素として、アプリ、ビッグデータ、ネットワークを挙げ、その中でビッグデータを自ら活用していることを紹介。「日本で最初にビッグデータを経営に活用したのがソフトバンク。ビッグデータと、科学的検証との組み合わせで、これがソフトバンクの最大の資産である。社内に対しては、絶対に外に出すなといっていたものであり、これは初めて公開するもの」と切り出す。

 1つは、より少ない投資で電波改善を行うために、月間1億9000万件の接続率調査をもとに、どこに基地局を設置すればいいのかを導き出し、それに基づいて接続率ナンバーワンを達成したこと、8200万件のツイートを自然言語解析で分析し、ソフトバンクに対してポジティブな反応と、ネガティブな反応がどう出ているのかを分析していること、Yahoo! Japanの6000万件のデータから、他社に買い換えそうな携帯電話の機種を持っているユーザーに向けて広告を打つといったことを行っていることなどを紹介した。

 「ソフトバンクの純増ナンバーワンはたまたまではない。また、テレビCMでお金を使っているからではない。頭を使っているからである」として、会場を沸かせた。会場でソフトバンクを使っているユーザーを挙手させたところ、多くの人が挙手したことに驚き、「本来ならば3割程度しか手が挙がらないはずだが、7割は手が挙がった。先進ユーザーはソフトバンクを使っている。残りの3割の人は悔い改めてほしい」と語った。同様に、ソフトバンクの電波が良くないと思っている人にも挙手させたところ、手を挙げた人は少数に留まり、ソフトバンクの電波改善が浸透していることを証明することになった。

 孫氏は「今日は、オラクルの営業マンとして話をしているようだ。次は安くしてくれるだろう」とジョークを飛ばし、「オラクルにとって、ソフトバンクは日本最大のパートナー。情報革命の同士である」と語り、講演を締めくくった。

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページTwitterRSSNewsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ランサムウェア対策をマンガで解説、手口や被害のデータから見る脆弱性放置の危険性とは?

  2. セキュリティ

    セキュリティリーダー向けガイド--なぜ今XDRとSIEMの違いを理解することが重要なのか

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. セキュリティ

    マンガで解説、「WAF」活用が脆弱性への応急処置に効果的である理由とは?

  5. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]