日本ヒューレット・パッカード(HP)は4月12日、同社のソフトウェア事業での取り組みを発表した。
米Hewlett-Packard HPソフトウェア担当エグゼクティブ バイスプレジデントのGeorge Kadifa氏は「HPを独立したソフトウェア会社としてみた場合、世界有数の規模になる。全世界に5万社のユーザー企業がおり、フォーチュン100社のうち94%が利用。7000人の技術者を有している。SaaSのプロバイダーとしても世界最大規模となる」と現況を説明した。
George Kadifa氏
「主要金融機関や通信会社、政府機関など1万社以上が、HPのセキュリティソリューションを活用しており、過去12カ月間に30のセキュリティ技術を市場に投入している。さらにHP Autonomyでヒューマンインフォーメーション領域ではナンバーワンの企業となり、6万社の企業が使用し、法務関連市場でのシェアは80%に達する」(Kadifa氏)とし、「世界中の企業の成長を支援するのが、当社のソフトウェア事業の基本姿勢になる」とその優位性を強調した。
HPソフトウェアには「ITマネジメント/クラウド」「セキュリティ」「HP Autonomy」「Vertica」の4つの部門があり、これらの部門を通じて、新たなITスタイルに向けて投資をしてきたとKadifa氏は語る。
ITマネジメント/クラウドでは、アプリケーションライフサイクル管理、サービス&ポートフォリオ管理、クラウド&オートメーション、ビジネスサービス管理で構成される。
「これらを活用して“破壊的”ともいえる提案をしていくことになる。新たなITスタイルでは、システムに問題が発生した場合に対応するのではなく、未然にそれを防ぐものになり、また、既存の環境をスマートフォンやタブレットなどを活用したものへと移行するモビリティ、コンピューティングリソースの活用の考え方、コストの考え方を変える“クラウドエコノミクス”といったものが台頭してくる。SaaSでもeコマースのようなシンプルさでツールを活用できる環境が求められる」(Kadifa氏)
セキュリティでは、「企業を攻撃しようとした時にしっかりとしたプロテクションを行うとともに、攻撃者が情報システムに入り込んだらすぐに捕まえて活動を止める、継続的に専門知識を提供し、次の被害を防ぐといったことに力を注いでいる。(ソースコード解析ツールの)『HP Fortify』(セキュリティログ管理ツールの)『HP ArcSight』(セキュリティ関連アプライアンスなどの)『HP TippingPoint』といった当社の製品群でこれを実現できる」と説明した。
Autonomyについては「ビッグデータを活用することで、顧客の成長を支援すること、18カ月と36カ月のロードマップを明確に示すことで継続的な進化をコミットしていること、HPの様々なソリューションと連携していることが特徴である。そして、(Autonomyに含まれ、非構造化データに対する意味ベースでの検索や可視化を得意とするソフトウェアである)『IDOL』はヒューマンインフォメーションのためのOSである。このOSをベースに分析、管理、情報保護などを提供している。情報のガバナンスを実現できるのが特徴である」と説明した。
データウェアハウス(DWH)でリアルタイムアナリティクスを得意とするソフトウェアであるVerticaでは「モバイルやソーシャルでゼタバイトを超え、ヨタバイタ(Yottabyte)の世界に入っており、よりパワフルな分析環境が求められる。Verticaは、従来のシステムと比べて、1000倍以上の性能を持ち、ある金融機関では11兆のライン数を処理するケースにVerticaを使用している」と導入事例を示した。