デルは4月16日、モバイル端末管理システム(MDM)の専用機(アプライアンス)「KACE K3000」を発売すると発表した。最小構成価格は73万2650円から。
同アプライアンスは、iOSやAndroidのモバイル端末を包括的に管理でき、ソリューションの導入、モバイル端末のプロビジョニング、セキュリティポリシーの強制適用などの複雑な工程が簡略化されるという。
同社は、KACEシリーズとしてシステム管理アプライアンスを既に投入しており、管理アプライアンスの「KACE K1000」はクライアントPCやサーバ、タブレットを管理。導入アプライアンスの「KACE K2000」はシステムの導入、展開を担う。
KACE K3000は、iPhone/iPad、Androidを搭載したスマートデバイスを管理、統括する。iOS 4/5/6、Android 2.2以上に対応する。KACE K1000と統合することで、これらのモバイル端末だけなく、デスクトップやノートのPC、サーバを追跡、監視、管理できる。Windows、Mac OS X、Red Hat Linux、SUSE Linuxなどもサポートする。
KACE K3000は、シングルステップのセットアップ機能を搭載しており、モバイル端末にワイヤレスでエージェントを導入することでモバイル端末のプロビジョニングプロセスを簡略化し、数分で端末の使用を開始できるという。
データのセキュリティ機能では、プロファイル管理、端末のロックと解除、データの遠隔消去、工場出荷状態への遠隔リセットなどの機能にでモバイル端末に保存されている企業のデータを保護する。
アプリ管理機能を使用すると、App StoreやGoogle Playなど各プラットフォームのアプリストアから無料、あるいは有料のアプリをデバイスにプッシュ配信できるほか、自社専用のアプリを直接端末にプッシュ配信することも可能だ。
KACE K1000と統合することで、すべてのエンドポイントを1台のコンソールに表示できる。IT管理者はシングルサインオンで、K1000とK3000の両方にシームレスにアクセスし、すべてのモバイル端末、PC、サーバを1台のコンソールから見ることができる。
KACE K3000にはあらかじめ、レポートツールとデータのダウンロードツールが組み込まれており、KACE K3000のほか、既存のツールを使用して定期的、あるいは随時、レポートを生成できる。KACE K1000との統合機能を用いれば、K1000のレポート作成ツールを利用することも可能だ。
デルのKACEブランドマネージメント シニアブランドマネジャーの守川啓氏は「BYODといっても、企業がモバイル端末を購入し、従業員に配布し、業務に活用するという、私物利用の形式とは異なるコーポレート端末というやり方があり、当社のソリューションは、この両方に対応できる」と説明する。
ITインフラが複雑化している中、スマートフォンやタブレットをはじめモバイル端末の重要性が高まり、管理が必要な端末の数と種類は増大しており、企業は新しい課題を抱えている。BYODの本格化をにらみ、さまざまなソリューションも出てきている。
同社は「BYODといっても、米国のように私物のモバイル端末を業務に利用するより、企業がモバイル端末を調達し、従業員に配布する形態の方が国内ではより普及するのではないか」とみており、今後、需要増が見込まれる、モバイル端末管理ソリューションの市場で先行していくことを狙う。