HKDC1は、HK Coloとのパートナーシップで展開、コロケーションとマネージドITサービスを提供する。香港証券取引所に隣接する都市型データセンターとして、高頻度取引(HFT)分野などで求められる低遅延の電子取引のニーズに対応した、金融業向けサービス基盤の役割を担うことになる。
Coltとの連携で提供するKVH Cloud Servicesプラットフォームでは、Coltが持つ英・ロンドン、オランダ・アムステルダム、フランス・パリ、ドイツ・フランクフルトなどの欧州のデータセンターのほか、日本やシンガポール、香港のデータセンターを活用。専用データセンター内に設置されたサーバやストレージ、ネットワークといったリソースをあらゆる場所からさまざまな端末を利用してリモートで構築、管理ができる。
日置健二氏
エンドユーザーに近い場所でビジネスアプリケーションを構築できるようになるため、ユーザーの要求にあわせた環境を実現しやすくなる。KVHの最高執行責任者(COO)である日置健二氏はKVH Cloud Servicesプラットフォームのメリットをこう強調した。
「アジアと欧州をまたがる統合プラットフォームが実現でき、ひとつのインターフェースを通じて、統一されたテクノロジ、統一された処理、同一のSLAを設定でき、全地域一律の料金でも対応できるのが特徴。これにより、グローバルに展開する企業のニーズにあわせたIaaSを提供できる。カスタマーポータルやクラウドコントローラは、Coltと当社の技術によるものだが、仮想化、コンピューティンリソース、ストレージとバックアップは業界のリーダー企業とのパートナーシップで増強したプラットフォームを提供できる。パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドにも対応できる」
同社では、今回のシンガポールと香港でのデータセンター設置について「アジアの先進国であり、金融業界における商談が発生しやすい環境にある。アジア太平洋地域への第一歩とするには適した市場である」(東瀬氏)と説明。日置氏もその意気込みを語った。
「今後、金融業界の顧客が展開する場所に当社もそれらの地域にデータセンターを進出させるつもりである。金融分野を中心に、ターゲットを絞って専門性を発揮していく。今後5~10年の間に日本と海外の多国籍企業から、ミッションクリティカルなITインフラをKVHに信頼して任せることができるといわれるような、データセンターとITサービスプロバイダーを目指したい」