アナリティクス先進企業は目的が明確、データが起点ではない:SAS - (page 2)

大河原克行

2013-04-18 14:28

劇的な処理時間の短縮は市場が求める絶対の条件

 基調講演に登壇した米SAS Instituteの上席副社長兼最高マーケティング責任者(CMO)であるJim Davis氏は、ビッグデータ活用の海外最新動向を紹介。「37年の当社の歴史の中で本当の意味で社会に大きな変革をもたらしたことは2、3度しかない。それが今訪れている。データを活用して、より的確で厳しい意思決定を行うことが、これまで以上に重要になり、多くの経営者から求められている。ビッグデータをプロアクティブに活用する“ビッグデータアナリティクス”と呼ぶ」と説明した。


SAS Institute上席副社長兼最高マーケティング責任者(CMO)のJim Davis氏

 アナリティクスには、ビッグデータアナリティクスとともに、ラージデータとリアクティブに活用する「BI」、ビッグデータをリアクティブに活用する「ビッグデータBI」、ラージデータをリアクティブに活用する「ビッグアナリティクス」という4つの象限があると説明。「企業はそれぞれの象限の特性を知り、それぞれを活用していくことが大切である。SASはすべての領域をカバーする企業である」と同社のスタンスを強調した。

 Davis氏は「ビッグデータの定義は十人十色だが、SASでは、従来のデータベースマネジメントシステムでは処理ができないデータ量を超えるものを指す。ここでは、データ、アナリティクス、プラットフォームが重要な要素。だが、従来のデータベースマネジントでは限界があり、アナテリィクスの時間をより短縮化するには、新たな高性能なプラットフォームが必要になる。今日紹介するのは、インメモリプラットフォームであり、アナリティクスを高速化し、新たなユーザーインターフェースに対応したものになる」として「SAS In-Memory Analytics」を紹介した。

アナリティクスには4つの象限がある
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SAS In-Memory Analytics
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 In-Memory Analyticsは、同社が提唱する“ハイパフォーマンスアナリティクス”を実現するもので、SASの既存資産はそのまま活用できる点も特徴。視覚化ツールの「データ・ビジュアライゼーション・レポーティング」でユーザーインターフェースも革新できるという。データ・ビジュアライゼーション・レポーティングの一例として、スマートメーターから収集した大量のデータを、パターンで認識し、そこから問題を深堀するといった活用を示した。

 「ある金融機関では、処理に20時間かかっていたものが、インメモリ化したことで15分に短縮するといった成果もある。劇的な処理時間の短縮は市場が求める絶対の条件であり、こうした処理は業界の課題解決に対応できる。企業にとって新たなチャンスを得ることにもつながる」(Davis氏)

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