WebLogicで首位狙う、クラウド統合にも注力--オラクルのミドルウェア事業

大川淳 2013年04月19日 10時54分

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 日本オラクルは4月18日、ミドルウェア事業の状況と戦略についての見解を示した。アプリケーションサーバを一層拡大させるとともに、クラウド統合を重要な争点と位置付けている。NTTドコモがアプリケーションサーバ「Oracle WebLogic Server」を導入した事例も発表した。

 Oracleは世界市場でアプリケーションサーバのシェアは首位だが、国内では未だそれを達成していない。日本オラクルの執行役員ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 Fusion Middleware事業統括本部長 桐生卓氏は「WebLogic ServerはNTTドコモ、三井住友海上、生産アウトソーシング事業を展開するアウトソーシング社、流通業、製造業など業種を問わず幅広く採用されている。シェアナンバーワンを目指し、WebLogic Serverのビジネスをさらに拡大していきたい」と語った。


桐生卓氏

 クラウド自体の導入は進んでいるものの、クラウドとオンプレミス、あるいはモバイルのアプリケーションとの間など、その統合化は望まれている割に進んでいないという。

 桐生氏は「クラウド統合は、安全性、可視性、接続性、柔軟性、拡張性の5つが確立していないと十分とはいえない。オラクルはこれら5つに対応する要素をすべてそろえている」と述べ、「この6月から始まる2014年度のミドルウェア事業で、特に注力していく点の一つはクラウド統合になる」と述べた。

処理能力向上、安定稼働実現で評価

 桐生氏がWebLogic Serverが効果を上げている事例と説明する、ドコモは2月から稼働させている。ドコモは顧客情報管理システム「ALADIN(All Around Docomo INformation system)」の基幹サーバをIAサーバに移行するにあたってWebLogic Serverをアプリケーション実行基盤として採用した。

 ALADINは、全国のドコモショップとインフォメーションセンターなどをつなぐ、顧客情報管理システムだ。ドコモでは、顧客に端末を引き渡した時点で、すべてのサービスを利用できるように顧客情報や電話番号選択、売上計上など契約と販売についてのあらゆる項目をリアルタイムに処理する必要があるため、システム基盤には相当の高速処理と安定性が求められる。

 ドコモが新たなシステムへと移行する目的は、ALADINのコスト効率化と運用の安定性の水準を向上させることだった。そのため基幹サーバのオープン化とともに、アプリケーション実行基盤の刷新を図り、WebLogic Serverの導入を決めた。日本オラクルによれば、 WebLogic Server導入の効果としては、“ガベージコレクション”の発生を制御する機能が大きな成果を上げたという。

 ガベージコレクションは、システムへの負荷が高くなった際、不要なメモリ領域を自動的に解放する機能だが、その影響で突発的なレスポンスタイムの劣化やタイムアウトが発生するため、通常はチューニング、あるいは手作業で、こうした弊害を回避していた。そこで「Real Time Java」を適用することでガベージコレクションを制御し、安定したレスポンスタイムを確保できたという。Real Time Javaはアプリケーションの修正が不要で、汎用的なハードやOSで稼働する。

 アプリケーションサーバによるデータベース連携も大きく効果があったという。アプリケーションとデータベースを接続する場合、WebLogic Serverでは、アプリケーションを起動する前に、データベース接続を接続プールに収容しておいて、トランザクション処理ごとにデータベース接続を作成するのではなく、アプリケーション起動時に必要なだけの数のデータベース接続が作成される。同社では、いわば、データベース接続の使い回しができるため、連携のパフォーマンスが上がり、データベースの負荷が低減化するとしている。

 WebLogic Serverには、メモリの使用状況やアプリケーション動作を監視する「Flight Recorder」機能があり、稼働状況を常時記録し、それらを過去に遡って分析して、適切なチューニングの時機などを判断でき、システムへの負荷を軽減することが可能だ。


伊藤敬氏

 ALADINは、以前からエンタープライズJavaの標準仕様である「Java Platform, Enterprise Edition(Java EE)」に準拠していたため、アプリケーションサーバの移行に起因する追加開発や修整作業を必要最小限に抑え、順調に稼動させることができたという。

 日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 製品戦略部 シニアマネジャーの伊藤敬氏は「NTTドコモからは、ガベージコレクションの発生制御機能や、効率的なデータベース接続管理機能による、システム処理能力の向上、メモリの使用状況をリアルタイムに把握できる機能でシステム安定稼働を実現した点などを高く評価してもらっている」と話す。

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