研究開発のテーマや領域において掲げられるキーワードは、技術革新の方向性を示しているともいえる。
今回の富士通研究所の骨太領域では、特に「ソーシャル」を掲げているところが印象的だ。今後の研究開発の成果に注目しておきたい。
「HP-UXの顧客資産を生かすことに全力を挙げたい」 (日本HP 手島主税 事業本部長)
日本HPの手島主税 事業本部長
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が4月4日、UNIX OS「HP-UX」上のデータベースを高速化するリファレンスモデル「HP SuperDB」、およびHP-UXの機能強化について発表した。エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括ビジネスクリティカルシステム事業本部の事業本部長を務める手島氏の冒頭の発言は、その発表会見で、ミッションクリティカル分野を中心に確固たる顧客ベースを持つHP-UXサーバ事業への意気込みを語ったものである。
HP SuperDBは、HP-UXベースのハイエンドサーバ「HP Integrity Superdome 2」とスケールアウト型ストレージプラットフォーム「HP 3PAR StoreServ Utillity Storage」を組み合わせ、データベースのI/O性能の高速化を実現したものだ。同社の従来機種(2008年モデル)と比べ、同じCPUコア数で3倍の性能向上を実現したという。
また、HP-UXの機能強化では、最新版の「HP-UX 11i v3」に仮想化技術として新たに「ダイナミックメモリー」機能を提供。仮想化ソフトウェア「HP-UX vPars and Integrity VM v6」の機能を拡張し、システム稼働中に仮想サーバに割り当てられている物理メモリの追加や削除が可能になった。
これら新製品や機能強化などのさらに詳しい内容については、すでに報道されているので関連記事などをご覧いただくとして、ここでは今回の発表におけるHPの戦略展開に注目したい。
日本HPは2012年11月、UNIXサーバ事業における新たな戦略展開を発表した。その際も事業責任者として説明に立った手島氏は、UNIXサーバ市場が成熟期を迎えているとの認識のもと、「これからはユーザーに多くの負担を強いるスクラップ&ビルド型システムから、投資資産を最大限に活用しながら新技術をタイムリーに利用できる持続的成長型システムが求められる時代になる」との見解を示した。
そこで同社がUNIXサーバ事業戦略として新たに打ち出したのが、HP-UXサーバを「持続的成長型システム」のプラットフォームと位置付けて開発投資していくことと、「Working Together」をコンセプトとしてユーザーやパートナーの声を製品開発に反映していくことである。
手島氏は今回の発表会見でも、上記の見解や戦略を繰り返して説明し、今回の発表が戦略の第2弾になると語った。
「持続的成長型システム」および「Working Together」をキーワードとした同社のUNIXサーバ事業戦略の根っこにあるものは何か。それはまさしくHP-UXユーザーをガッチリと維持することにほかならない。手島氏の冒頭の発言には、その強い思いが表れている。