ビッグデータの管理・加工
1つ目は、データマネジメントの根幹を支える『ビッグデータの管理・加工』であり、日々蓄積されていく膨大なデータをどのような形で管理・加工し、「早く、安く、簡単に、かつ意思決定に耐え得る精度で」使える状態にしていくのかという命題と向き合って、「Hadoop技術」などのデータ処理技術を駆使して、データと格闘する日々を送っています。
データに基づく経営管理の効率化
2つ目は、データの管理・加工によって経営管理指標(=事業KPI)を導出し『データに基づく経営管理の効率化』を実施しています。さまざまな企業で実施していることだと思いますが、まずは、データを基にして現状を診断し、われわれの事業体が健康なのか不健康なのか、不健康であれば、心臓が悪いのか、胃腸が悪いのかなどの原因をいち早く突きとどめる必要があります。
具体的には、われわれが定めている資料請求や来店などのカスタマーアクションをKPIとして設定し、それらを時系列でモニタリングしていき、過去から現在までの上昇や下降、その要因であるサイト動線をサブKPIとして、KPIと同様に上昇や下降を見ることで現状を診断します。
ただし、モニタリングで分かることは、過去はどうだったのか、現在はどうなのかということであり、未来はどうなるのかということまではわかりません。そこで、現状診断の次のフェーズとして、統計モデリングを駆使して、3カ月後、半年後、1年後などの未来のKPIがどうなるのかを予測し、事前に設定した目標値に到達しそうなのかどうかを定量的に見立てます。
さらに、予測されたKPIの値と目標値との間に乖離が見られる場合は、広告予算など、われわれがコントロールできるマーケティングリソースを当初のシナリオからどのように変更すると、その乖離を埋められるのかをシミュレーションします。
マーケティングリソースには、もちろんコストが発生しますので、複数あるシミュレーションパターンから、コストを最小限に抑えつつ、目標値を達成するコストシナリオを導かなければなりません。
しかし、このコストシナリオのパターンが、例えばリスティング広告やディスプレイ広告など10種類の広告施策において10万円、20万円、30万円、40万円、50万円と5つの組み合わせで考えた場合でも510≒970万通りというように、とても人手では最適解にたどり着けない場合がほとんどですので、すべてのシナリオの組み合わせをシミュレーションしなくても最適解を導出できるように「数理計画法」という最適化技術とコンピュータのマシンパワーを用いて、コスト最小ニーズとKPI最大ニーズとのトレードオフ関係の中から最適なコストシナリオを導き、予算配分を実行しています。
そして、実際に配分した結果とその効果を都度振り返り、経営管理を効率化していくというPDSを回しています。