--SAPジャパンとしてはどんな戦略をもっているのか?
この質問に、SAPジャパンのソリューション本部 アプリケーションエンジニアリング部シニアディレクターの鈴木章二氏はこう答える。
ベンダーとしては、HANAという製品があり技術を紹介するわけだが、実際に国内の顧客に対しては企業が策定している中期経営計画を支援していく視点で取り組んでいる。技術が高い、処理が速いのはいいが、それで実際に何ができるのかということを知りたいとの声が上がってきた。
SAPジャパンのソリューション本部 アプリケーションエンジニアリング部シニアディレクターの鈴木章二
ただ単に技術が改善されるということでいいのか--SAPはこのあたりの考え方が他のベンダーとは異なっている。顧客に対し事業上の問題点の解消に技術をどう適用していくか。これをSAPは最も重視している。だが、従来は顧客が求めていても、それを実現するだけの技術が追い付いていない面もあった。
バッチ処理が入ると情報を取り寄せるだけで一晩かかってしまうこともあったのだが、これがリアルタイムでできるようになった。そこでマネジメントや意思決定の支援という議論ができる段階に来た。HANAにより新しいSCMが確立され、仕組みは整備された。HANAの技術をどのように活用していくか、それを多くの人々と共に考えていきたい。HANAというのは、目的ではなく手段だといえる。サプライチェーンをリアルタイム化することが目的だ。
経営を考えるとき計画のサイクルに拘束されてしまうことの意味は大きい。15年くらい前には計画を1カ月で回していた。しかし現在、アジアの市場をみるととてもそのサイクルでは間に合わない。サプライチェーンをより精密にして適正な計画を立てなければならない。しかし、既存の仕組みをすべてリセットするというのではなく、いまあるものを生かし、人間のコミュニケーションなども織り込み、地域、製品ライフサイクルに最適化した計画が求められており、SAPのソリューションはそれを実現できる。
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