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大河原克行のエンプラ徒然

成長戦略よりも体質強化を優先--新中期経営計画に見るNECの変化

大河原克行

2013-05-01 16:20

 NECは、2013年度から始まる3カ年の中期経営計画を発表した。

 最終年度となる2015年度には、売上高で3兆2000億円、営業利益で1500億円、当期純利益で600億円、フリーキャッシュフローで1000億円、自己資本利益率(ROE)では10%を目指すことになる。さらに、海外売上高を7500億円にまで引き上げる考えを示す。

 こうした具体的な数字とは別に、代表取締役執行役員社長の遠藤信博氏は「中期経営計画におけるコミットメントではない」としながらも、「営業利益率5%、海外売上高比率25%の早期実現を目指す。達成が最終年度の2015年になるのか、それとも2016年になるのかはわからないが、中期経営計画の遂行の中でも、この数値を意識していく」と、もうひとつの指標を示してみせる。

 中期経営計画の目標値では、営業利益率は4.7%、海外売上高比率は23%と、いずれも5%、25%を下回る。だが、中期経営計画の目標値とは別に、敢えてもうひとつの目標を掲げたところに遠藤氏の意気込みが感じられる。


中期経営計画を比較

組織体制も大きく変更

 今回発表した中期経営計画では、「社会ソリューション事業への注力」「アジアへの注力、現地主導型ビジネスの推進」「安定的な財務基盤の構築」の3点を方針に掲げる。

 特に重要な柱となるのが「社会ソリューション事業への注力」だ。

 社会ソリューション事業は、防災やセキュリティ、電子行政、金融などの「パブリック」、情報ネットワークなどの「テレコムキャリア」、流通や物流、交通などの「エンタープライズ」、そして、電池技術を活用した新たな領域である「スマートエネルギー」から構成する。

 「これまでにも、ITサービス、キャリアネットワーク、社会インフラ、エネルギーという4本柱を掲げてきた。外から見ると、これと同じように見えるが、大きな違いは、お客様を意識して、インフラの在り方はどうすべきか、ICTソリューションの在り方はどうすべきかといったことを考えていくという点。それに向けて、組織体制も大きく変更した」と遠藤氏は語る。

 従来はシーズ起点の個別最適な事業の集合体であったのに対して、新組織では、パブリックBU、エンタープライズBU、スマートエネルギーBU、テレコムキャリアBUといった市場ごとに組織を設置。それらを支える横串型の組織として、システムプラットフォームBU、ビジネスイノベーション統括ユニットを設置。横串組織を通じて、プラットフォームの共有化や開発コストの効率化、品質の一定化とともに、新たなビジネスモデルの創出にも乗り出すという。

 遠藤氏は「新たなビジネスモデルを創出するために、ビジネスイノベーション統括ユニットの中にビジネスモデルクリエーションを行う専門組織を作った。社会ソリューション領域において、新たな価値を創造していくことになる」とする。

 余談だが、今回の組織変更によって、NEC本体から「パーソナル」を冠した組織名がいよいよ消えたことも興味深い。


社会ソリューション事業が牽引役になる

 社会ソリューション事業の売上高は、2012年度実績では1兆8100億円。全社売上高の59%を占める。遠藤氏は「今後3年間に、SDN、スマートエネルギー、セーフティ関連で約1000億円の戦略的投資を行い、2015年度には2兆2100億円、全体の約7割(69%)の売上高を目指す」と意気込む。

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