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大河原克行のエンプラ徒然

リコー、2012年度は最終黒字--カメラ事業で苦しむも構造改革で体質転換図る - (page 2)

大河原克行

2013-05-02 17:32

迫られる体質転換

 同社が取り組んでいる第17次中期経営計画の最終年度に当たる、2013年度(2013年4月~2014年3月)の連結業績見通しは、売上高が前年度比9.1%増の2兆1000億円、営業利益が前年度の2.20倍の1400億円、税引前利益は前年度の2.32倍の1350億円、当期純利益は前年度の2.47倍となる800億円とした。

 基本方針は「体質改造の文化を定着させて成長を加速する」。重点施策として、フルラインアップの品揃えによる「基盤事業の収益力の徹底強化」、ITサービスやインタラクティブホワイトボード、ファイナンスソリューション(レンタルビジネス)などの「基盤事業における新収益モデル」、光学事業をはじめとする「新規育成事業の成長加速」、さらに不断で取り組む構造改革による「経営効率のさらなる向上」の4点を挙げた。

  • 2014年3月期主要指標見透し

  • 構造改革

  • 2014年3月期損益計算書見透し

 A4 MFPなどの製品ラインアップ強化によって、MFPでのフルラインアップ提案ができること、ワンストップのトータルソリューション提案を加速できること、ドキュメントサービスにおいては、上流となるITサービスにまで事業を拡大させたことで、「競合に勝てる体制が整っている」と三浦氏は自信をみせる。

 2013年度には、構造改革の効果として660億円を計画。新たに欧州地域で1000人規模の人員削減を含む構造改革を進めることを決定し、合計で約1万1000人規模の人員を削減するほか、計器事業の再編、人員配置の最適化や事業統合、グローバル購買の強化を実施。「そのほかにもさまざまな構造改革施策を行っていく」などと語った。

 三浦氏は「構造改革は不断のもの。しかし、今は将来のジャンプに向けて屈んでいるところである。基盤事業で競合に勝つことが最重要課題だが、米国でのビジネスのように赤字のままだと、どうやっても敵とは戦えない。合理化して体力をつけ、利益を出す体質を作ることが、競合に勝つ前提になる」と状況を説明した。

 続けて「2013年後半から、世界経済は緩やかな回復に転じるだろうが、それでも弱含み。その点でも構造改革を引き続き実行していく。アベノミクスの効果も、われわれの事業にはそれほど効いてこないだろう。こうしたことを踏まえて、将来の成長に向けた新規事業への投資、新たな事業拡大も同時に行っていく」と、継続的な構造改革に意欲をみせる。

 その一方で「タブレットやスマホが普及すると、紙の出力が減っていくだろう。だが、フィルム写真のように9年間で10分の1になることはないはずだ。逆に、新興国では紙が増えるという状況にある。しかし、その上にあぐらをかくのではなく、新たな価値を提案し、新たな事業を進める必要がある」とも語る。

 体質転換もリコーにとっては、大きな課題だ。

 「PPC(普通紙複写機)といわれた時代から、何十年もハードウェアを売ってきたセールスマンに、サービスを売りなさいと言っても、なかなかそうはいかない。これまでにも散々やってきたが、この転換は難しい。新たな体制を作らないといけない。サービス事業を展開する準備のためにも投資をしていく」(三浦氏)

 三浦氏は、今年秋には第18次中期経営計画を発表する予定だという。

 新たな中期経営計画には、構造改革は「不断」とする三浦氏は、体質改善、体質転換をどの程度盛り込むのか。そして成長戦略をどう描くのか。その内容が注目される。

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