「メモリ空間がクラウド越しにスケールするように設計しており、Cloudera ImpalaやHiveよりもはるかに高速なデータ処理が行える」とMaritz氏。データファブリックでは、インメモリ型のデータマネジメントシステム「GemFire」やHadoopディストリビューション「Greenplum」など、EMCとVMwareのオープンソースソフトウェア(OSS)ポートフォリオもデータファブリックに含まれることになる。
アプリケーションファブリックではさまざまなツールや言語によるアプリケーション開発、サービスの提供、アナリティクスなどを可能にするレイヤだ。ここで注目したいのは、PivotalというブランドのもとになったPivotal LabsのSaaS型開発ツール「Pivotal Tracker」を取り込んでいる点だ。

Apache Hadoopに独自機能を付加し高速化を実現したPivotal HD
EMCは2012年2月にサンフランシスコのベンチャー企業だったPivotal Labsを買収したが、ストレージのビッグベンダーであるEMCがアジャイル開発やモバイルアプリケーションに定評のあるPivotal Labsを手中に収めたニュースは多くの業界関係者を驚かせた。同じくEMCが買収したビッグデータアナリティクスベンチャーCetasの「Cetas Analytics」、VMwareの「Spring/vFabric」などもアプリケーションファブリックに含まれる。
Pivotal Oneの提供開始は2013年第4四半期が予定されているが、Maritz氏はPivotal HD、Gem/SQLfire、Greenplum DB、Pivotal Labs、Spring/vFabricといったEMCやVMwareから移譲されたポートフォリオとHadoop基盤に関してはすでに入手可能だとしている。さらにPivotal HDを拡張したアドバンスドなデータベースサービスである「Pivotal HAWQ」も近いうちに提供を開始するとしてる。

近い将来に提供が予定されているPivotal HAWQの概要