その上で同氏は昨今のICT分野の潮流について「新しい技術がサービスを生むという旧来の構図のみならず」と前置きし、冒頭のように発言。そうした中で「NIIはさらなる機動的研究体制の実現に努めたい」と決意のほどを語った。ビッグデータ活用研究の第一人者が所長に就いたNIIが、今後どのような成果を生み出すか、大いに注目しておきたい。
「HP Moonshot Systemは真のオープンな垂直統合型システムを実現したものである」
(日本HP 杉原博茂 常務執行役員)
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が4月19日、アプリケーションごとに最適化されたカートリッジ型サーバ製品「HP Moonshot System」を発表した。同社でエンタープライズインフラストラクチャー事業を統括する杉原氏の冒頭の発言は、その発表会見で同製品の特徴を語ったものである。
日本HPの杉原博茂 常務執行役員
Moonshot Systemは2011年末に米HPが表明した省電力サーバプロジェクト「Project Moonshot」を通じて開発された製品の第1弾で、対象となるアプリケーションに最適化されることでスペースと消費電力、コストなどを大幅に低減できるのが特徴だ。HPでは同製品を、アプリケーションの特性に合わせてサーバを最適化することから、業界初の「Software-Defined Server」(ソフトウェアで定義するサーバ)と位置付けている。
Moonshot Systemの概要については、すでに報道されているので関連記事をご覧いただくとして、ここでは杉原氏は語った「真のオープンな垂直統合型システム」の意味に注目したい。
杉原氏によると、その意味は「一般的に垂直統合型システムというと、ハードウェアもソフトウェアもベンダー独自の技術や製品が適用されているケースが多いが、Moonshot SystemはCPUやOS、ミドルウェア、アプリケーションなどにおいてそれぞれのパートナーとオープンに協業しながら、顧客が求めるアプリケーションに最適化されることを第一義としている。これが用途からみた真のオープンな垂直統合型システムで、まさにHPだからこそ実現できる全く新しいサーバだと自負している」とのことだ。
ちなみに、HPはサーバ、ストレージ、ネットワークなどのITリソースを統合し、必要に応じてユーザーが柔軟に使えるようにする「Converged Infrastructure」戦略を2009年から推進してきたが、今年初めにはその発展系としてSDN(Software-Defined Network)を軸としたSDDC(Software-Defined Data Center)という考え方を打ち出している。
SDDCは、データセンター全体を集約・仮想化し、アプリケーション実行環境のためのデータセンターへ変革させるもので、HPは今後、このSDDC戦略を強力に推進していく構えだ。今回のMoonshot Systemは、Software-Defined Serverとしてその重要な構成要素となる。HPはこの分野で先行しているとみられるだけに、どのように市場を形成していくか、注目しておきたい。
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