BYODに潜む10の落とし穴(そしてこれを避ける方法) - (page 2)

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-05-20 07:30

#4:互換性の懸念

 BYODによって、職場にさまざまなデバイスやプラットフォームが氾濫する可能性もある。そしてある日職場で、「Android」や「iOS」「OS X」「BlackBerry」「Linux」「Windows 8」といったさまざまなプラットフォームのサポートに追われかねないとハタと気付く場合もあるというわけだ。サポートするプラットフォームの種類はそれほど多くないように思えるかもしれないが、その作業は大変なものとなりかねない。このため、すべてのプラットフォームをサポートしようと思わない方がよいだろう。その場合の選択肢としては次の2つが考えられる。1つ目は、特定プラットフォームのデバイスのみ持ち込みを許可するというものだ。2つ目は、サポートするのは会社が認可したプラットフォームのみだと明言したうえで、それ以外のプラットフォームを使用するユーザーは自らで責任を持つという点を明確にしておくというものである。

#5:帯域幅の過剰使用

 あまりにも多くの企業がネットワーク帯域幅の確保という点で問題を抱えている。それら企業のほとんどは最低限の帯域幅さえ確保しておけばよいだろうと考えている。これは大きな間違いだ。BYODのメリットの1つに、エンドユーザーが社外で仕事をしやすくなる(その結果、従業員の契約している携帯ネットワークや、彼ら自身のワイヤレスネットワークが使用される)という点が挙げられる。その一方、社内にいる時にはデスクトップPCと自前のデバイスの双方を使用するようになる。このため、企業のネットワークへの負荷が増加する点を考慮し、追加のデータ容量を取り扱えるだけの十分な余裕があることを確認しておくのがよいだろう。ほとんどの企業はこういった用意があるものの、一部の中小企業は一般的なDSL回線で運用しようとしている場合もある。これではうまくいかないだろう。

#6:デバイス管理の煩雑化

 多くの企業はデバイス管理の方法に悩んでいる。さまざまなデバイスが持ち込まれ、さまざまな携帯ネットワークに接続される結果、これらデバイスの使われ方をうまく統制するための管理コンソールを適切なかたちで設定できなくなる。こういった場合、「PacketFence」のようなネットワークアクセス制御(NAC)システムを導入し、MACアドレスを用いて各デバイスを統制するという手が使えるだろう。もちろんのことながら、これにはエンドユーザーの所有しているデバイスのMACアドレスを登録してもらうというプロセスが必要となる。とは言うものの、これによりデバイスと、各デバイスがどのようにネットワークリソースを使用しているのかという情報を管理するうえで大きな1歩を踏み出せるはずだ。

#7:ワイヤレスLANのボトルネック

 従業員がこぞって自前のデバイスを職場に持ち込むと、それらすべてが会社のワイヤレスネットワークに負荷をかけるようになる。このため、ネットワークが飽和しないようにしておく必要がある。つまり、一般消費者向けのワイヤレスルータでは力不足ということになる。こういったルータでは輻輳(ふくそう)を引き起こすおそれがあり、セキュリティレベルも要求水準を満足できない場合がある。このような問題が発生しないよう、ボトルネックとならず、かつさまざまなセキュリティホールの原因とならないワイヤレス機器を購入するようにしてほしい。

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