#8:過剰なまでの放任
BYODを許可するという選択肢は、エンドユーザーに対して、彼らを十分信頼し、自主性の高さに任せると告げているに等しいと言える。このことが悪用される可能性はもちろんある。最も起こって欲しくない事態は、自主性の意味をはき違えた一部のユーザーが、会社のルールを無視するというものである。BYODを許可したからといって、ユーザーがルールを破り、好きに行動してよいというお墨付きを与えたわけではないという点を彼らにしっかり理解してもらう必要がある。必要であれば、与えられた自由の限界について理解していることを確認する契約書にサインさせてほしい。
#9:ウイルスへの感染
モバイルデバイスはそのプラットフォームの多様さゆえに、デスクトップPCとは異なり、ウイルスの影響を受けにくくなっている。とは言うものの、感染したファイルを渡されるという可能性も無いわけではない。このため、エンドユーザーはファイルを受け取るすべてのマシン(あるいはデバイス)にウイルス対策ソリューションを適用しておく必要があるということを理解しておかなければならない。なお、ウイルス対策ソリューションは会社からの認可を得たものでなければならず、定期的にメンテナンスやアップデートを実施しておく必要もある。
#10:互換性の問題
ユーザーが、自らのデバイスにインストールされているアプリケーションでは仕事関係のファイルがオープンできないと怒ってくる場合もあるはずだ。このためユーザーに対して、会社が認めている形式のファイルをオープンできるアプリケーションを購入、インストールする必要があるという点を明確にしておく必要がある。この目的に合致するオフィススイートには「Kingsoft Office」がある。このアプリケーションは「Microsoft Office」と「LibreOffice」をサポートしている。また、ユーザーのデフォルトブラウザでは会社のウェブアプリケーションを取り扱えない場合を考慮し、代替ブラウザ(「Firefox」など)の用意があることも確認しておいてほしい。さらに、こういった手段をもってしても対応できない問題が出てくるかもしれない。その際には、「LogMeIn」のようなツール(デスクトップへのアクセスを行う)や、RDPクライアントといった選択肢が使えるはずだ。
デバイスとともに持ち込まれるドラマ
ドラマはあなたのIT部門に必ずやってくる。その時に備えて、考えられるありとあらゆる準備を整えておいてほしい。あなたは世に出始めたばかりのモバイル機器と相対することになるため、今までは必要に思えなかった武器も、万一に備えて準備しておかなければならないのだ。しかし、準備を整えておけば、そしてユーザーにも準備を整えさせておけば、悲惨なドラマにつながる可能性を激減させられるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。