デルは5月16日、ソフトウェア事業を手がけるデル・ソフトウェアの日本での事業展開説明会を開催した。Dellのソフトウェア事業は2012年9月に米国でQuest Softwareを買収。日本でも2月にQuest Softwareの日本法人である日本クエスト・ソフトウェアがデル・ソフトウェアに社名変更した。
デル代表取締役社長の郡信一郎氏は、「日本法人は今年20周年を迎えたが、その年にソフトウェア事業という新しいポートフォリオが加わり、事業に新しい軸が誕生した」と説明。デル・ソフトウェア代表取締役社長のBuster Brown氏も「われわれは15億ドル以上を売り上げるソフトウェアのグローバルリーダー」と事業の優位性を強調した。
デル代表取締役社長 郡信一郎氏
顧客規模別とソリューション別のメッシュ構造組織に
ソフトウェア事業が加わることについて、郡氏は「デルというとハードウェアのイメージが強いが、2009年から事業ポートフォリオの拡大を進め、2010年にはエンタープライズソリューションなど年々新しい事業分野を加えている。今回、日本でもソフトウェアという新しい軸となる事業を加えたが、今後もさらにポートフォリオ拡充が進む」とさらに新たな事業を付加する可能性を示唆している。
組織も従来の個人向け、中堅中小規模向け、大規模向けという顧客規模別に加え、「エンタープライズソリューション」「エンドユーザーコンピューティング」「サービスセキュリティ」「ソフトウェア」というソリューション別の組織を用意。顧客規模別とソリューション別というメッシュ構造の組織となった。
「この組織変更は、事業ポートフォリオが拡張する中、製品の特長的な機能について開発も含めた知識が必要となったこと、事業戦略を作る上で従来の顧客別だけでは不十分となったことで、新たな組織を構築した」(郡氏)
デル自身も従来からの直販に加え、チャネル経由での販売を進めているが、デル・ソフトウェアは従来からパートナー経由がほぼ100%というチャネル販売の体制だったため、あえて別法人とした。デルのチャネルとのバッティングが起こった場合には、先着順とする計画だ。
デル・ソフトウェア代表取締役社長 Buster Brown氏
デル・ソフトウェアは従来、日本クエスト・ソフトウェアが提供してきた「ID管理製品、セキュアリモートアクセス製品、eメールセキュリティ製品などのセキュリティ」「データベース関連製品などなど情報管理」「運用管理製品、パフォーマンス管理製品、サーバ管理製品、データ保護製品などシステム管理」という3分野の商品を新体制後も販売していく。
デル・ソフトウェアのBrown氏は「ITを取り巻く環境としてクラウド、セキュリティとリスク、ビッグデータ、モビリティという4つの大きなトレンドがある。デル・ソフトウェアはこの4つのトレンド全てに、セキュリティ、システム管理、情報管理というソリューションを提供する。全てコスト効率の高い方向で提供する」と説明している。ワールドワイドの実績として15億ドル以上の売り上げ、ユニークユーザー数5億人、200万人以上のユーザーコミュニティが存在するという。