セキュリティ市場は拡大基調--標的型攻撃からの防御広がる

ZDNet Japan Staff

2013-05-21 12:10

 IDC Japanは5月20日、2012年の国内セキュリティ市場規模実績と今後2017年までの予測を発表した。

 2012年の国内情報セキュリティ市場において、ソフトウェア製品とアプライアンス製品を合わせたセキュリティ製品市場規模は2220億円、前年比成長率は4.7%だった。一方、2012~2017年の年間平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は3.9%で 2017年には2693億円に拡大すると予測した。

 調査によると、2012年のセキュリティソフトウェア市場は、アイデンティティ/アクセス管理とエンドポイントセキュリティの需要が大きく、前年比成長率は4.0%、市場規模は1898億円だった。

 2013年以降は、クラウドサービスやモバイル端末の利用拡大、巧妙化と悪質化する標的型攻撃の増加によって、アイデンティティ/アクセス管理とエンドポイントセキュリティ、セキュリティ/脆弱性管理への需要が拡大する。同市場の2012~2017年における年間平均成長率は3.8%で、2017年には2291億円に増える見込みだ。

 2012年のセキュリティアプライアンス市場は、標的型攻撃対策としてニーズが高い不正侵入検知システム(IDS)、不正侵入防御システム(IPS)とモバイル端末の利用拡大よって、リモートアクセスのセキュリティ基盤として需要が拡大したファイアウォール/仮想私設網(VPN)と統合脅威管理(UTM)が市場をけん引。市場規模は前年比8.8%増の322億円で、2011年のマイナス成長からプラス成長に転じた。

 2013年以降も、リモートアクセスの増加でファイアウォール/VPNやUTMの需要が拡大すると分析。巧妙化、悪質化する標的型攻撃への対策として、IDS/IPSへのニーズは引き続き高いとする。同市場の2012~2017年におけるCAGRは4.5%で、2017年には402億円に拡大すると予測した。

 2012年のセキュリティサービス市場は6504億円、前年比成長率は4.6%だった。同市場は、巧妙化と悪質化が進む標的型攻撃への危機意識の高まりと、サーバ統合/システム統合に伴うセキュリティシステムの再構築需要の拡大、またスマートフォンなどのスマートデバイスとクラウドサービスの利用拡大により、需要が拡大している。

 この状況は2013年以降も続くと予測。同市場の22012~2017年におけるCAGRは3.9%で、2017年には7884億円に拡大するという。

 巧妙化した標的型攻撃によって、クローズドなネットワーク環境で安全とされていた電気やガスなどの社会インフラ産業もセキュリティ脅威にさらされており、政府機関や防衛関連産業、化学産業といった特定の機関や産業を標的としたサイバー攻撃も頻発しているという。

 また各産業分野では、業界コンプライアンスなどから産業特化型のシステムが導入されているケースも多く、特定システムの脆弱性が狙われることで、そのシステムを導入している産業が同様に攻撃されるリスクも高まっている。

 IDC Japanソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーを務める登坂恒夫氏は「セキュリティベンダーやパートナーは、特定の産業に特化したセキュリティ対策製品をパッケージ化するなど、産業特化型セキュリティソリューションの提供を促進すべきである。そのためには、産業特化型ソリューションを提供しているベンダーやパートナーとの協業も必要である」とプレスリリースでコメントした。

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