市民の声を集め市政に生かす--さいたま市、Dynamics CRMを稼働

ZDNET Japan Staff

2013-05-28 11:58

 さいたま市が、市政への提案、陳情・要望、行政サービスに関する問い合わせなどを集めた「市民の声DBシステム」を構築し、本格運用を開始した。システムを構築した富士通が5月28日に発表した。製品を提供した日本マイクロソフトによると、自治体として初めての「Microsoft Dynamics CRM」の導入事例という。

 市民の声DBシステムは、さいたま市の各種広聴制度、コールセンターなどに寄せられる市政への提案、陳情や要望、行政サービスに関する問い合わせといった市民の声を一元管理し、発言者の年代、性別、居住区、提案内容別などによる分類、集計、統計結果のグラフなどを表示する。

 さいたま市は、より積極的に市民の声を収集するため、ウェブサイトを設け、市民から直接、意見や要望を受け付ける。これにより、効率的かつ正確に市民意識の状況を把握し、迅速に対応することで、市民サービスの質を向上させる狙いがある。

 これまでも、コールセンターを運用し、陳情と提案のほか、「わたしの提案」「タウンミーティング」などの広聴制度を設け、積極的に市民の声を収集していた。だが、その情報は制度ごとに管理されており、市全体として市民の声を定量的に分析し、傾向をつかむのが難しかったとのこと。

 また、市民の声への個別の対応はそれぞれの制度で迅速に行っているが、市全体として把握し、次の施策へ反映するまでには、意見の集約と統計処理などに多くの労力を要していたという。

 今回のシステムで市民の声を集約することで、市民の意識を把握できるようにする。同システムは、さいたま市共通認証システムと連携しており、職員は、庁内PCからこのシステムにアクセスして、寄せられた市民の声を登録する。

 技術面の特徴は、Dynamics CRMの活用によりシステム構築を効率化したことだ。富士通は、システムの拡張性やセキュリティの設定が可能な点を評価してDynamics CRMを採用したとしている。

 今後さいたま市は、同システムを全庁で共有化し、効率的に市民の声を分析し、的確に市民意識を把握していくという。市民の理解が欠かせない事業における対策を講じるなど、広聴活動を施策推進のために活用する考えだ。

システムのイメージ
システムのイメージ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]