SAS Institute Japanは5月27日、主に地方銀行を対象に、銀行業向けに特化した統合顧客分析ソフトウェア「SAS Customer Analytics for Banking」と、ライセンスの導入・運用に関するコンサルティングサービスの提供を開始すると発表した。同日から提供を開始している。
Customer Analytics for Bankingは、顧客分析の強化によりサービス向上やマーケティング高度化を目指す銀行にとって必要となるアナリティクス機能を包括したソフトウェア。銀行が顧客を理解し、精度の高いターゲティングによりクロスセルキャンペーンのROI(投資対効果)を改善するためのツール環境とともに、データモデル、ETL(抽出、変換・加工、ロード)処理テンプレート、レポートテンプレートなども提供する。
顧客情報の一元化と顧客分析に必要となるアナリティクス環境の構築により、顧客一人ひとりのニーズの理解に基づいた整合性のある顧客サービスと販売機会の拡大を支援するとしている。
また、世界各国の銀行における導入プロジェクトで蓄積されたノウハウをテンプレートとして提供するとともに、銀行に特化したデータモデルの採用により、総保有コスト(TCO)を抑えながら短期に導入できるという。
主に、次のような業務課題を持つ銀行を対象とする。
- 現状ではデータ活用が定型的なレポート作成にとどまっているが、今後、顧客分析に取り組もうとしている
- MCIF(マーケティング用顧客情報データベース)やデータウェアハウスは導入して いるが、データを抽出する程度で、高度な分析までには至っていない
- 専任の顧客分析担当者を抱えていない
- データを貯めているものの、個々の顧客単位では分析されていない
Customer Analytics for Bankingを導入することにより、銀行業で多数の実績を持つというSASの予測分析機能を使い、個々の顧客の状況を正確に把握し、クロスセルやアップセルの機会を見つけ、離反や休眠の予兆を検知できるとする。
また、行内に散在するデータを、国内外の数多くの銀行システム導入で培ったノウハウを盛り込んだデータモデルである「SAS Banking Detail Data Store」に統合することにより、データの管理コストを大幅に削減できるとしている。