Oracleは、セキュリティの脆弱性を解消するためにどのようにJavaの修正に取り組むか、そのアプローチの仕方を変えようと計画している。エンタープライズ環境でのホワイトリスト化機能を備えた一元的なポリシー管理を追加することもその1つだ。
OracleでJavaプラットフォームソフトウェア開発チームリーダーを務めるNandini Ramani氏が米国時間5月30日のブログ投稿で書いたところによると、同社はこの取り組みが「デスクトップ環境における潜在的なJava脆弱性の悪用可能性や深刻度を軽減する」とともに、「サーバ環境で動作するJavaに対して追加のセキュリティ保護機能を提供する」のに役立つことを期待しているという。
Ramani氏は、2013年に入ってApple、Facebook、Microsoftなどに対するハッキングが発生したのを受けて論争が巻き起こったことを間接的に指摘している。これら一連のハッキングでは、ウェブプラグインを実行するシステムがパッチ未対応だった脆弱性へのゼロデイ攻撃を受けた。だが一方で、同氏のブログ投稿は「Javaのセキュリティ価値」に重点を置いている。
Ramani氏は、Javaを所有していたSun Microsystemsに言及することでOracleの立場を擁護し、Sunは「優先順位」に沿って「一定の期間内」で問題を解決するため、Oracle独自の修正スケジュールを採用しなければならなかったと述べた。
Ramani氏はまた、2010年のSun買収後、Javaの開発は「セキュリティ修正の作業を大幅に加速した」とも指摘している。Oracleは、10月から同社の他の製品と併せてJavaのパッチ公開スケジュールを継続的に迅速化する予定だという。
さらに、特定の種類の脆弱性を取り除くため、「ファジング」による自動解析ツールもOracleの主要なソースコード解析プロバイダーによって開発されている。
Ramani氏は、サーバセキュリティとエンタープライズ展開について2つの大きなポイントを付け加えた。
同氏はブログ投稿で、Javaのセキュリティ問題の多くはサーバに影響を及ぼしていないものの、こうした問題が「サーバ上で実行するJavaアプリケーションを支えとしている組織にとって懸念となった」と述べた。Oracleは、ブラウザベースのバージョンのJavaをサーバベースのエンタープライズ展開から切り離す措置を取っている。
新しいJavaディストリビューションの「Java 7」(Update 21)は「Server JRE」と呼ばれており、個人ユーザー向けの通常版Javaに搭載されるJavaブラウザプラグイン、自動更新機能、インストーラが含まれていない。
サーバおよびエンタープライズ展開においては、プラグインで構築した業務上不可欠なアプリケーションへのアクセスを失うことを恐れて、マシン上のJavaを無効化できない組織が多い。Javaにはローカルセキュリティポリシー機能が追加される予定で、これによってシステム管理者は組織内でのJavaのインストールや配備においてセキュリティポリシー設定に対するさらなる制御が可能となる。
このような機能には、デスクトップから拡散するマルウェアのリスク抑制や、クライアントマシン上で実行可能なJavaアプレットのサーバ管理によるホワイトリスト化などが含まれる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。