米Microsoft コーポレートバイスプレジデント兼チーフエバンジェリストで、デベロッパー&プラットフォーム エヴァンジェリズムを担当するSteve Guggenheimer氏が来日し、同社の「デバイス&サービス カンパニー」への取り組みなどについて説明した。
Guggenheimer氏は、「デバイスとサービスの時代が訪れており、Microsoftは業界の変化を受けて、その方向に踏み出す。それによって、顧客の期待に応えていく。PC、タブレット、スマートフォン、組み込み型などさまざまなデバイスがあるが、ハードウェアの成長は、これからも減速することはないだろう」と現在の状況を解説した。
Steve Guggenheimer氏
「だが、デバイス&サービスの時代でも、Microsoftがすべてのハードウェアを作るわけではない。Microsoftは、パートナーと緊密なエコシステムを確立している点が大きな特徴であり、これはデバイス&サービスの時代でも変わらない」
Guggenheimer氏は「シンメトリー(対象的)」という言葉を用いて、同社が打ち出すデバイス&サービスカンパニーとしての特徴を強調した。
「Microsoftは、デバイスにおいても、スマートフォンからタブレット、PC、大画面デバイスまでをカバーし、クライアントとサーバ、オンプレミスとクラウドといった環境をつないだ形で提案ができる。ひとつのコアプラットフォームを提供し、その上でアプリケーションを開発し、セキュリティやマネジメントもシンプルである。このシンメトリーの形はさらに進化することになる。Appleは、ソフトウェアではエコシステムを構築しているが、ハードウェアではそうした環境にないなど、シンメトリーの形にはなっていない」
デバイスでは、新たなエクスペリエンスとして「ナチュラル」「コネクテッド」「パーソナル」の3点を挙げた。ナチュラルでは「キーボードやマウスに加えて、タッチやペン、Kinectによるゼスチャーや音声といった使い方を提案している。これはゲームの世界だけで使われるものではなく、医療分野などにも応用できるものになる」と言及した。
コネクテッドでは、ひとつのコンテンツをさまざまなデバイスで利用できること、パーソナルでは、人を中心として設計されたタイル型のモダンUIによって、人とつながるデバイスを実現していることを強調。「これは競合他社にはないものである」などと語った。
Windows Storeが、開発者にとって柔軟性が高いプラットフォームであること、収益性が高いプラットフォームであることを示し、「他のアプリケーションストアに比べても、開発者から高い評価を得ている状況にある」とメリットを強調。そして先頃発表されたWindows 8.1についても言及した。
「Windows 8は、ハードウェアが変化することに対応して投入したOSであり、Windows 8.1では、ソフト開発者からの声を聞き、フィードバックを得たものを反映するとともに、機能を先取りしたものとなっている。Windows 8.1は、パートナー、ユーザーに対して無償で提供するものであり、イノベーションのスピードに対応するために、クリスマスシーズンに向けて、迅速にリリースしていきたい」
Windows Phone 8については「すべての国ですべて同じタイミングで投入するというわけではない。パートナーとの連携を含めて、タイミングを計りたい」などと語った。
同氏は、6月26日から米サンフランシスコで開催される開発者向けイベント「BUILD」の責任者を務めており、説明の最後に「COMPUTEXやTechEd、BUILDを通じて、今後もさまざまな情報を提供していくことになる。ぜひ注目していてほしい」と述べた。