東京大学の生産技術研究所に導入された、日立製作所の「モジュール型データセンタ」の「外気導入冷却システム」の電力使用効率(PUE)は平均で1.18となった。一般的なデータセンターと比べて、空調にかかる電力コストを約73%削減したという。日立製作所が6月3日に発表した。
外気導入冷却システムは、モジュール型データセンタの冷却システムであり、28度以下の外気を活用して、サーバやストレージなどのハードウェアを含めたデータセンター設備全体を冷却する。一般的には、涼しい地域のデータセンター運用に採用されており、従来、東京では本格的に導入されていなかった。
国家プロジェクトの「最先端研究開発支援プログラム」に採択された、東大の「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川優教授)で活用されているデータセンターに、外気導入冷却システムが採用された。2年間運用されてきた。
外気だけでデータセンター内の温度と湿度の管理を最適化し、温度と湿度が高い夏季、湿度が低い冬季でも最適なデータセンターを維持できたという。ハードウェアの消費電力に応じた送風量を自動的に制御した。2012年6月~2013年5月の1年間の平均PUEは1.18を記録し、東京でも外気導入冷却システムで大幅に電力を削減できることを実証したと説明している。