SECCONは、実践的情報セキュリティ人材の発掘や育成、技術の実践の場の提供を目的としており、情報セキュリティの考え方や知見を広め、セキュリティ予備人材の裾野を広げ、その中から世界に通用するセキュリティ人材を輩出し、日本の情報セキュリティレベルを世界トップレベルに引き上げることを目指す。
サイバー攻撃やマルウェア感染など、情報セキュリティを脅かす出来事が近年、多発しており、企業や組織は甚大な被害に遭遇する危険にさらされている。このような攻撃から、企業や組織を防衛するには、優秀な情報セキュリティ技術者の育成、スキルの高度化が不可欠だ。JNSAによれば、欧米やアジアなどICT先進国では、多様な人材を掘り起こすため、さまざまなCTF大会が開催されているのだという。
田中英彦氏
JNSA会長の田中英彦氏(情報セキュリティ大学院大学学長)は「昨今の情報セキュリティへの脅威は大変厳しい状況だが、残念ながら、日本では、それに対応できる人材が少ない。人材の育成が課題だ。今年度は、対象とする年齢をさらに広げた。若い人々にとって知識やスキルを試す良い機会になる。若い世代と経験の豊かな層の連携も重要だ。SECCONが広い意味の人材育成につながれば好ましい」と述べた。
竹迫良範氏
SECCON実行委員会 実行委員長の竹迫良範氏(サイボウズ・ラボ)は、攻防戦の形式を採ることの意義を強調した。
「今年度は年齢の制限をなくしており、小学生から高齢者まで参加できる。参加者は400人以上を見込んでいる。成功しているスポーツは、トレーニング機構やさまざまな大会などが整備されている。ITでは、プログラミングのコンテストはあるものの、セキュリティについては、まだこれからだ。クラブ活動の延長でコンテストに参加したり、学園祭でコンテストが開催されるような状況になると良い。これまで、日本では、攻撃があった後で対応を考えるということが多かったが、どんな攻撃でどのような被害が出るか、さらには、攻撃に先んじる防御というような考え方が重要になる」