ストレージコストを最適化できると同時にデータ管理の効率化、加えてシステム環境全体の処理性能が向上できるようになるという。V7000の管理下にフラッシュストレージ「IBM FlashSystem」シリーズやほかのストレージを配置して、Easy TierとReal-time Compressionを同時に適用すれば、実物理容量以上のデータをフラッシュストレージに収容でき、高速なストレージ資源を有効活用しながら、データ量を削減して転送や処理の時間を短縮できるとメリットを強調している。
Storwiseシリーズのエントリストレージ「IBM Storwize V3700(V3700)」でもEasy Tierを利用できるようになった。V3700には拠点間でデータをコピーするリモートミラー機能も追加された。遠隔コピー機能は、Storwiseシリーズ間で互換性があり、遠隔地に置いたV3700とほかのStorwiseの間でデータを複製することもできる。
SDEにあわせて、プライベートクラウドのストレージ基盤を統合するソフトウェア「IBM SmarterCloud Storage Access(SCSA)」の機能を拡張する方針も明らかにしている。
SCSAは、Storwiseシリーズの統合ストレージ「IBM Storwize V7000 Unified」やスケールアウト型NASアプライアンス「IBM Scale Out Network Attached Storage(SONAS)」といったNASに対応している。今後は、SANにも対応できるようV7000やSVC、ハイエンドストレージの「IBM XIV Storage System」でも利用できるようになる。各エンドユーザーのストレージのストレージの利用量を可視化して、実際の使用料に応じて課金できる機能も追加する。
これらの施策で、プライベートクラウドの中に非構造化データと構造化データの両方を一元管理できるストレージ環境を構成して、エンドユーザーは各機器固有の設定など意識せずに、使いたい時に使いたい分だけ、ストレージを活用できるようになる。REST形式のストレージクラウドのAPIを通じて、独立系ソフトウェアベンダーが利用することも予定している。
IBMは現在、SDNを実現するソフトウェア群をオープンソースソフトウェア(OSS)として開発するプロジェクト「OpenDaylight」に参画している。OpenDaylightに参加する企業各社は、開発したソフトウェアを公開して、ネットワーク機器間の相互運用性を高め、SDNの普及を促進するという。OpenDaylightでIBMは、ネットワーク仮想化のオーバーレイ技術「Distributed Overlay Virtual Ethernet(DOVE)」を公開、OpenDaylightに提供することをコミットしている。