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三国大洋のスクラップブック

サイバーセキュリティ予算でバブるワシントン--米NSAスキャンダルの落ち穂拾い - (page 2)

三国大洋

2013-06-13 15:23

 今回のスキャンダルで内部告発者を出したBooz Allen Hamilton(Booz Allen)も、そうした国防・安全保障関連の大手外注業者の1つ。この分野に特化した派遣業者、ということになるのだろうか。

 The New York Times(NYTimes)のブログ(註2)を見ると、Booz AllenがワシントンDC周辺でも有数の雇用者--従業員数は1万3900人(同社全体では約2万5000万人)となっていて、民間企業の中では第6位。軍需産業のNorthrop Grumman(1万4451人)よりわずかに少なく、Lockheed Martin(1万1000人)やそれに通信大手のVerizon Communications(1万2600人)などよりも多いとある。

[NSA Leak Shows Close Business, Government Ties - WSJ]

 またNYTimesの別の記事(註2)には、Booz Allenの売り上げ(年間57億6000万ドル)の約98%が連邦政府からの仕事で、また全体の23%に当たる13億ドルが諜報分野の仕事からのもの、という説明もある。さらに、今回の騒動で政府側を代表して声明を出していた国家情報長官(Director of National Intelligence)を務めるJames R. ClapperもBooz Allen出身者、さらにBush前政権時代にこのポストに付いていたJohn M. McConnellなる人物がやはりBooz Allenに天下っている、などとあるから、まさに「21世紀版の軍産複合体」と言えなくもなさそうだ。

 なお、「ロッキード事件」で印象の強いLockheed Martinもいまではこうした諜報分野に進出し、Booz Allenや Computer Sciences Corporationなどと並ぶ情報処理関連の外注業者になっているという。戦闘機やロケットが売れなければ、サイバー戦争の武器を……といったところかもしれない。

 さて、冒頭で触れたWSJ記事には、Carlyle Groupの名前も出てくる(2001年~2004年までイー・アクセスにもお金を入れていたあのカーライル)。歴代の各国政府首脳--George H. W. Bush元大統領(父親の方)やJames Baker元国務長官、John Major英元首相、Thaksin Shinawatra元タイ首相などが顧問になっていることで知られる、いかにも「政商」的なこのPEファンド、実はBooz Allenの官需部門を2008年に25億4000万ドルで買っていたこともあるらしい(その後2010年に再度Booz Allenを上場させたが、このIPO時の評価額が約22億ドル、調達額が2億5000万ドル強、ただし、IPO前に特別株主配当で6億1200万ドルもせしめていたとか:註4、5)

 このCarlyle Groupでは現在1760億ドルの資金を運用、ただし国防・航空関連の(国防総省やNASA(米航空宇宙局)の仕事を請け負う)外注業者は全体の1%に満たなくなっているという。同社の創業者兼共同CEO(最高経営責任者)のDavid Rubensteinなる人物は「世界は変わった」などとWSJにコメントしている。なお、カーター政権時代には官僚を経験したRubenstein、現在は億万長者の慈善家(billionaire philanthropist )として、Kennedy Center for the Performing Artsの理事長なども務めているという。

 一方、Booz Allen関係者ではMark Gerencserという取締役副社長が紹介されている。自動車マニアの同氏の自宅ガレージには「Aston Martinのほか、ビンテージもののMercedes-Benz 560 SL、それにTesla Model Sなどが並んでいる」「まだ52歳の若さだが、来年には引退の予定」などとある……。

 次回は「NSAが膨大なデータを集めて、いったい何をしようとしているのか」などを知る手掛かりとなりそうな記事、そしてこれらの活動の必要性を生んだサイバー戦争の歴史や現状に触れた記事などを紹介する。

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