日本IBMは企業のモバイルコンピューティング基盤の構築を支援するソリューション群として「IBM MobileFirst(モバイルファースト)」を展開。これを強化するソフトウェアの新版とアプライアンスの新製品の提供を開始する。
MobileFirstは、IBMが2月から推進しており、モバイルを活用してビジネスの変革や創造を支援するコンセプトであり、製品の総称となる。今回、強化を図ったのは「IBM Worklight V6.0」と「IBM Business Process Manager V8.5」の2つのソフトウェア。新製品としてアプライアンス「IBM MessageSight」を投入する。
モバイルアプリ開発を効率化--メッセージを効率的に処理
Worklight V6.0は、モバイルアプリの開発から展開、運用に必要な機能を提供するモバイル・エンタープライズ・アプリケーション・プラットフォーム(MEAP)製品の新版になる。新たにテスト自動化ツール、情報収集分析機能、ジオロケーションの3つの機能を追加した。
多くの企業で課題となっているモバイルアプリの効率的な開発とモバイル端末経由で得られる情報のさらなる活用を支援するという。ライセンス価格は、Enterprise Editionの1インストールで558万9150円となっている。
日本IBM ソフトウェア事業WebSphere事業部 事業部長 三戸篤氏は「Worklight V6.0は、2012年5月に投入したモバイル向けアプリケーション開発と実行の基盤であり、クロスプラットフォームに対応するために共通化された機能を提供し、開発の高速化を実現する」と説明した。
日本IBM ソフトウェア事業 WebSphere事業部 事業部長 三戸篤氏
「今回の機能強化では、これまでに要望が多かったテスト機能を強化した。ひとつの端末での操作記録を他の異なる機種の端末で自動再生し、複数の端末にも対応できるようにしたことで、テスト作業の軽減や短いサイクルでの開発を実現することができる」(三戸氏)
情報収集分析では、モバイルアプリの利用者数や利用OSを分析するほか、障害やセキュリティ上の問題も分析できる。ウェブサイトの利用者から見た問題点を可視化するソフトウェア「IBM Tealeaf Customer Experience」と連携することで、モバイル端末でのユーザー操作の履歴を取得し、蓄積した情報を分析できるのも特徴のひとつとしている。