松岡功の「今週の明言」

英ブリティッシュテレコム会長が日本市場にコミットメント - (page 2)

松岡功

2013-06-14 13:12

 日本では現在、KDDIとの合弁事業や日立製作所と金融分野向けトレーディングサービスでの協業などパートナーとの連携に注力しているBT。

 日本のクラウドベンダーとは競合するのではなく、BTのソリューションとの連携によって共存を図っていきたい考えで、顧客への訴求も合わせてRake氏が語る「長期的なコミットメント」が大きな実を結ぶかどうか注目される。

「マイクロソフトは今後さらに、さまざまな社会課題に対して期待されるITの役割の実現に尽力していきたい」
(日本マイクロソフト 織田浩義 執行役)

日本マイクロソフトの織田浩義 執行役
日本マイクロソフトの織田浩義 執行役

 日本マイクロソフトが5月30日、パブリックセクター向け事業戦略について記者説明会を開いた。同社執行役でパブリックセクター統括本部長を務める織田氏の冒頭の発言は、同戦略の取り組みに向けた意気込みを語ったものである。

 同社がこの日、パブリックセクター向け事業強化の第1弾として明らかにしたのは、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)が5月24日に発表した「世界最先端IT国家創造」宣言(案)を受けて政府のICT戦略を支援する策。具体的には、6月3日に「公共イノベーション推進室」を新設し、支援プログラム「公共イノベーションプログラム」を提供開始した。

 公共イノベーション推進室は、行政・医療分野においてICTの利活用で住民サービスを向上し、地域経済の活性化や災害に強い自治体づくりを検討している公共機関向けにイノベーション推進を支援する専任部隊である。役割としては、公共イノベーションプログラムの開発・推進をはじめ、海外先進事例の紹介・実証実験や先進的な取り組みの支援、定期的な情報共有・情報交換会の実施などを担っている。

 公共イノベーションプログラムの内容としては主に3つある。1つ目は、災害に強い自治体づくりを支援すべく、「災害時に関する協定」の締結を加速していくことだ。災害時に関する協定とは、マイクロソフトが全世界で提供している災害対応プログラム「Disaster Response Program」に基づき、事前に自治体や公共機関と協定を結び、災害発生時の支援を行うものである。

 2つ目は、公共機関が保有するデータを二次利用できる形にしたオープンデータや、ソーシャルネットワーク上の書き込みなどのビッグデータを活用して、新たな公共サービスやビジネスの創出を目指す公共機関を支援する「オープンデータ・ビッグデータ活用推進プログラム」を展開することだ。

 3つ目は、自治体と住民の協働をICTの活用で実現する新たな取り組みを、マイクロソフトが海外で実現した事例をもとに「ガバメント2.0」のシナリオとして提案し、プロトタイプを作成、検証を支援する「ガバメント2.0ソリューション検証プログラム」を提供することだ。

 織田氏はさらに、「マイクロソフトは今後、ソフトウェアだけでなくデバイスやクラウドを合わせてソリューションを提案していく。これにより、行政・医療でのIT活用がさらに大きく広がる可能性がある」と力を込めた。同社はバブリックセクターにおいてすでに多くの実績を上げているが、デバイスやクラウドを合わせてさらにどんなソリューションを生み出せるか、注目しておきたい。

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