SAS Institute Japanは6月18日、顧客分析ソフトウェアの最新版の提供を同日から開始すると発表した。社長を務める吉田仁志氏は、デジタル化が進むマーケティング活動において、導入企業が店舗やウェブなど多様なチャネルでの顧客との関係構築、顧客体験の提示、ビッグデータ分析による意志決定ができるようにすると強調した。
製品名は「SAS Customer Intelligence 6.1」。分析ソフトウェアである「Marketing Automation」「Marketing Optimization」「Real-Time Decision Manager」「Digital Marketing」をウェブベースの単一基盤上に統合した。これにより、最高マーケティング責任者(CMO)、プランニング戦略の立案者、分析者、キャンペーンの実行担当者など、オンラインとオフラインにまたがるさまざまな関係者が同じ仕組みを共有できるようになるという。
さらに、今回はオンラインでの顧客の行動をリアルタイムに取得し、これに基づい動的な対応を実現できるという新製品「Adaptive Customer Experience」も追加した。
ビジネス推進本部 CIプラクティス・リードの高橋昌樹氏は「さまざまな部署の担当者がバラバラなデータを見ているのでは意味がない。そのため、こうしたコラボレーションを進めることに注力した」と製品開発における方針に触れた。
マーケティングチャネルの側面でも、ウェブサイト、店舗、カタログ、ダイレクトメール、電子メールなどあらゆるチャネルを組み合わせ、一貫した顧客対応が可能になるとしている。
「Marketing Automation」「Marketing Optimization」「Real-Time Decision Manager」「Digital Marketing」などこれまで別だった機能を1つのUIに統合した
リアルタイムでの提案ができるように
新版での導入企業のメリットの例として高橋氏は「リアルタイムで消費者に提案ができるようになる」と指摘する。
eコマースサイトの運営などでSASの分析ソフトウェアを利用することで、購買履歴やウェブ行動履歴などを含む顧客データベースや在庫情報や他店価格情報などを含む業務システム、さらに離反や休眠、クロスセルなどを判断する分析モデルと、消費者がその場で見ているウェブページおよび滞在時間などを突き合わせて分析できる。その上で、各消費者が魅力を感じるキャンペーンや商品の紹介などをリアルタイムでできるようになるという。
リアルタイムでの提案により、新規訪問者への動機づけと見込み顧客への移行をスムーズにできるとのこと。再来訪率の向上も図れるという。