富士通は6月18日、インメモリデータ管理ソフトウェア「FUJITSU Software Interstage Terracotta BigMemory Max V4.0」の販売を開始した。税別の標準価格は180万円から。6月末から出荷する。
独Software AGの完全子会社Terracottaの「Terracotta BigMemory Max」を富士通のビジネスアプリケーション基盤ソフトウェアの「Interstage」シリーズに組み入れた。同時に、ウェブアプリケーションのセッション情報管理に特化したソフトウェア「FUJITSU Software Interstage Terracotta Web Sessions」は大量のユーザーの同時ログインとサーバダウン時の業務継続を実現できるという。
Interstage Terracotta BigMemory Maxは、Javaアプリケーションで定常的に扱えるメモリ量を従来の5Gバイトから1Tバイト以上に拡大させた。これまでデータベースで管理していたテラバイトを超える大規模なデータの処理を、Javaアプリケーション内で安定的かつ高速に実行できるという。今までリアルタイムに活用しきれなかったデータを分析できるようになるとメリットを説明している。
例えば、オンライン決済を事業とする企業では、テラバイト以上の決済履歴データをリアルタイムに分析できるようになる。これまで決済処理完了後に行っていた不正取引検出処理を、決済処理と同時にリアルタイムに展開することも可能。不正取引を見逃していたことで発生していた損害賠償や保険料などのコストを大幅に削減できるとしている。
今回のソフトウェアは、Javaの標準的なキャッシュAPI「Ehcache」、オープンソースソフトウェア(OSS)のO/Rマッピングフレームワーク「Hibernate」、Javaアプリケーション向けのOSSのアプリケーションフレームワーク「Spring」と連携可能。これらのAPIやフレームワークを利用しているシステムの場合、アプリケーションに手を加えることなく、定義ファイルの修正だけで適用でき、アプリケーションの処理性能を向上させられるという。
ホテル予約サイトで導入すれば、Javaフレームワークを30分程度で修正することで、繁忙時のホテル予約の性能が17倍に向上したと、実例でその優位性を強調した。
対応OSは「Windows Server 2008」「Red Hat Enterprise Linux 5/6」「Oracle Solaris 11」。「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」「ニフティクラウド」「Amazon Web Services」といったクラウドでも稼働する。