「3Kではなく、3Aを目指したい」--JISA新執行部が語る日本のIT業界の今後 - (page 3)

大河原克行

2013-06-20 10:57

 ビジネス基盤強化担当の原氏は「JISAには、600社35万人の会員企業があるが、これらの個々の企業が強くなる必要がある。7割が独立系企業。そうした意味でも個々の企業が自立していくことが前提となる」と説明。以下のように提言した。



原孝氏(リンクレア代表取締役会長)

横塚裕志氏(東京海上日動システムズ代表取締役社長)

 「会員企業は顧客を知るべきである。顧客に対して、真のサービスを提供できているのか。お客様を知る、いわば“知客力”が足らないと感じている。JISAの会員会社35万人の社員は原石であり、この原石を徹底的に磨くことが大切である」(原氏)。続いて「これまでIT業界は3K(きつい、厳しい、帰れない)と言われてきたが、これからは3A(アート、アグレシッブ、アクション)を目指したい」と語った。

 政策担当の横塚氏は「マイナンバーという大きなプロジェクトが動き出す。これを成功させるべく、JISAとしての側面から取り組む。政府CIOをいかにサポートするかといったことも含めて、政策提言を行っていきたい。消費税増税についても大きな課題と認識している」とIT業界の今後を説明している。

 「今後は、情報サービス産業としてのプレゼンスをいかに上げるかが鍵であり、それに向けて実力をつけていくことが最大の課題である。日本のITが、世界のITに比べて周回遅れにあると言われるが、この一因は、情報サービス産業としての努力が足りないというにある。われわれ側からイノベーションを起こすこと、クラウドを含めたアーキテクチャをわれわれからどう提案していけるかといったことを通じて、社会からの信頼感を得て、業界としての力をつけ、基幹産業といわれるような形に進化させていきたい」(横塚氏)

 河野氏は「5つの委員会を通じた合同会議を持ち、委員会相互の意思疎通を行っていく必要もある」とし、委員会活動の連携で協会運営を推進していく姿勢を強調した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]