インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月24日、クラウドサービス「IIJ GIOサービス」のラインアップを拡充、「IIJ GIOビッグデータラボ」の提供を開始した。最小限の投資でビッグデータ活用の効果を実感できるよう、トライアル環境と技術支援メニューをあわせて提供する。
トライアル環境となる「ビッグデータ基盤」はサーバの基本的設定やミドルウェア、必要なるツールまでをインストールした状態で提供する。分散並列処理フレームワーク「Apache Hadoop」のクラスタにはディストリビューション「Cloudera's Distrbution Including Apache Hadoop(CDH)」を、データウェアハウス(DWH)には「Greenplum Database」を利用できる。
データを分析、検証するツールとして、領域特化型言語(Domain Specific Language:DSL)の「Pig」や「Hive」も提供する。機械学習ライブラリ「Mahout」、統計解析向けプログラミング言語である「R」向けの統合開発環境(IDE)「RStudio」をすぐに利用できる状態で検証環境を提供する。月額15万円で3カ月まで利用できる。
今回のサービスでは、技術支援がオプションとして提供される。技術支援は、分析・仮説検証と技術検証の2つとなっている。
分析・仮説検証は、データの分析作業をIIJとパートナー企業が連携して支援する。データの具体的な活用に向けた施策や仮説の設定支援、データの可視化と分析、仮説検証、検証結果のレポーティングなどを提供する。ユーザー企業は、単独では気付きにくかった情報の発見、データを活用した施策イメージを効果的に具体化できるという。
技術検証では、ビッグデータ基盤を利用した技術的な検証作業を支援する。検証シナリオ策定やアプリケーション開発のアドバイス、データ移行サポート、ツールの操作など、ユーザー企業の個別のニーズにあわせて専門技術を持った担当者が支援する。自社で分散並列処理のアプリケーション開発者を育成したいと考えるユーザー企業には、トレーニングメニューも用意する。
分析・仮説検証と技術検証の価格は個別見積もり。分散並列処理アプリケーションのトレーニングの価格は定員5人2日間で45万円となっている。今回のサービスはSBIホールディングスとワイヤ・アンド・ワイヤレスがすでに導入しており、ビッグデータ活用に効果的だと評価されていると説明している。
競争力強化のためにビッグデータが注目されているが、同社の調査によると、「データ処理基盤の構築コスト」「データ処理技術の習得」「データ活用ノウハウの不足」などのハードルがあると指摘。今回のサービスは、ビッグデータを活用するための環境を本格的に導入する前に、試用版を提供して、どのようにビッグデータを活用できるのかを理解できるというメリットがある。