--要するに、Haswellのメリットってバッテリ持続時間がすべてなの?
いいや、この新プロセッサの持つその他の際立った特長として、統合されているグラフィックスコアのパフォーマンス向上も挙げることができるね。性能が最も高い「Intel Iris Pro」というグラフィックスコアなら、ゲームによっては最新のゲームでも専用のグラフィックスカードを用意することなしに実行できる。そうは言っても、最高級のグラフィックスカードと同性能というわけじゃない。大体100ポンド(約1万5000円)以下で買えるカードと同じくらいの性能だと思えばいいかな。
Intelの発表によると、1080pのゲームをプレイした際のベンチマークにおいて、Intel Iris Proは「Call of Duty: Modern Warfare 3」で詳細設定をMediumにすると平均毎秒131フレームで、最新の「Tomb Raider」で設定をMediumにすると毎秒38フレームでプレイできるんだって。
統合されているグラフィックスはIntelの以前のものよりもずっとパワフルになっているそうだ。Haswellのグラフィックスコアで2番目に性能の高い「Intel Iris Graphics 5100」を搭載した熱設計電力が28Wの「Intel Core i7-4558U」は、「3DMark 2011」によるベンチマークテストで、第3世代の「Intel Core i7-3687U」プロセッサに統合されていたグラフィックスコアに比べると2倍のパフォーマンスを達成しているんだ。
IntelのHaswellプロセッサにはすべて、新たなチップ設計に基づいた統合グラフィックスコアが搭載されている。搭載されているコアはIntel Core i7/i5/i3の各製品によって違ってて、ハイエンドのIntel Iris Proや「Intel Iris」のバリエーションから、ローエンドの「Intel HD Graphics」にいたるまで、そのパフォーマンスもさまざまなものとなっているね。また、こういったコアは「Microsoft DirectX 11.1」や「OpenCL 1.2」「OpenGL 4.0」、3つの画面のコラージュ機能、2K解像度による拡張4Kをサポートしているよ。さらにグラフィックスチップには、高速化された「Intel Quick Sync Video」と、JPEG/MPEGデコーダやトランスコーダも搭載されているんだ。
--デスクトップPCについてはどうなの?
デスクトップPC向けの「Intel Core i7」と「Intel Core i5」のシリーズも発売されているよ。そのなかには、倍率ロックが解除された愛好家向けのKシリーズというプロセッサもあるため、オーバークロックも容易になっている。さらに熱設計電力が低い(35Wまたは45W[クアッドコア])のTシリーズや、熱設計電力が65WのクアッドコアであるSシリーズ、65WのクアッドコアでIntel Iris Proグラフィックスコアを搭載したRシリーズもある。それ以外のデスクトップPC向けプロセッサにはすべて、ローエンドの「Intel HD Graphics 4600」が搭載されているんだ。
また当たり前の話だけど、IntelはデスクトップPC向けプロセッサのパフォーマンスも改善されていると述べているね。熱設計電力が65WのHaswellプロセッサ「Intel Core i5-4570S」は、65Wの「Intel Core 2 Duo E8400」プロセッサに比べるとオフィス向けアプリケーションの処理速度が2.2倍、動画の編集が9.2倍高速になり、ゲームの3Dパフォーマンスが21倍になるそうだよ。
IntelはデスクトップPC向けのHaswellプロセッサが従来型のタワーPCに採用されるのではなく、HD画面とタッチスクリーンを搭載し、音声制御機能を統合したオールインワン型のPCでの採用が主流になると期待しているんだ。