「NECも、OpenFlowでのマルチベンダーには注視しています。自社のコントローラと他社のスイッチ、自社のスイッチを他社コントローラ、それぞれで相互接続を進めているところです。ようやく運用管理ができるようになってきつつあり、SDNを実現するという意味では、APIを使ったプロビジョニングなどの運用自動化も進めているところです。今回のデモでも、そういった部分を盛り込みました。
OpenFlow 1.3になると、フロー集約などもできるようになり、ようやく商用ネットワークの中でOpenFlowの標準を使うことができるようになってくると思っています。もちろん実際に使う上ではネットワークテスターなどの機材の対応も求められてきます」(宮永氏)
NECでは、自社のOpenFlow対応製品を使ったSDN構築事例を、いくつか公表している。
例えば自社グループだがNECビッグローブでは、以前からのサーバ仮想化に加えてSDNを取り入れてネットワークも仮想化することで、テナントへ提供するインフラの構築期間を約2週間から約10分へと大幅に短縮したという。
また日本通運では、プライベートクラウド基盤にSDNを取り入れて運用も内製化したことでサービス提供までの期間を2カ月から1週間へと迅速化しつつ、年間600万円の外注費をゼロにし、同時にスイッチもシャーシ型からボックス型に切り替えて設置スペースや消費電力を70%もカットしたという。
ある製薬会社のデータセンター統合事例では、数年間かけて段階的に統合するという計画に対し、同様にボックス型スイッチの活用で初期投資を抑えつつスケールアップに対応させている。
「OpenFlowにより、L2機能だけでなくL3機能までボックス型スイッチを使ってハードウェア処理しつつ、スケールアウトすることが可能になります。これが評価されたということですね」(宮永氏)
L3までボックス型スイッチでスケールアウト可能にすることで、シャーシ型スイッチの制約から脱し、柔軟な配置が可能になる