Interop Tokyo 2013

仮想化の主流になったオープンソースのこれから - (page 2)

岡田靖

2013-07-01 11:41

コミュニティーに開発を託した例

 コミュニティーのオープンな場に開発を託し、加速させた例はほかにもある。Citrixが2012年にApache Software Foundation(ASF)へ寄贈したIaaS(Infrastructure as a Service)基盤ソフトウェア「Apache CloudStack」は、今ではASFの中で最も活発なプロジェクトとなっているという。

 「独立した組織であるというのも大きな点です。このプロジェクトを自社のビジネスに役立てようという企業も参加でき、今や500人以上のデベロッパーがCloudStackにかかわっています。そして多くのユーザーもまた開発に貢献してくれています。コミュニティーに参加しているすべての企業がイノベーションを進めてくれているのです」(Ulander氏)

Apache CloudStackには300以上の企業がかかわっている
Apache CloudStackには300以上の企業がかかわっている

 ネットワークに関しては「Open DayLight」のプロジェクトが発足、SDNソリューションのフレームワーク構築が進められている。SDNコントローラからAPI、ネットワークアプリケーション、L4~7機能など幅広い範囲におよぶプロジェクトだ。

相互互換性が鍵

 「このプロジェクトにはCitrixのほかCiscoやJuniper、IBM、日本からはNECや日立なども参加し、一緒になって標準化を進めています。これまでSDNの足かせになっていたのはインターオペラビリティ(相互互換性)です。互いに競い合ってしまって標準化が遅れていたのです。そこで、このプロジェクトでは特にコントローラーにフォーカスし、その部分を標準化、コントローラー、API、アブストラクションレイヤなどのフレームワークを共有していく方針です。そのほかの部分で競いましょう、というわけです。同様にストレージも、SDS(Software-Definied Storage)へ向けた開発が進められており、もうすぐ大手企業でも使えるというところまで来ています」(Ulander氏)

Open DayLightプロジェクトの概要。物理的なネットワークと各種アプリケーション、サービスとの間を取り持つ、SDNを実現する上で中核となる部分にフォーカスしている
Open DayLightプロジェクトの概要。物理的なネットワークと各種アプリケーション、サービスとの間を取り持つ、SDNを実現する上で中核となる部分にフォーカスしている

 こうしたオープンソースの取り組みについて、次のように語っている。

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