旭化成グループは統合基幹業務システム(ERP)上のデータをリアルタイムに分析、把握できる情報活用基盤を稼働させている。構築したNECとアビームコンサルティングが7月1日に発表した。同システムは、独SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」を活用して構築され、同製品を活用したものでは国内最大級の事例だという。
旭化成は、グローバルレベルで起こる商流の変化に対応するためにERP統合プロジェクトを推進。5月20日に 第1期のグループ統合ERP構築が完成し本格稼働を開始したと発表していたが、さらにERPでの情報活用基盤を構築した。これにより、同グループにおける組織変更への効率化とシステムの保守運用コスト削減など、情報活用基盤を活用し、グループ全体のタイムリーな情報把握による経営のスピードアップを目指す。
今回構築された旭化成の情報活用基盤では、ERPで扱う会計や生産、購買、販売、物流などの大量の業務データをHANAによって高速処理し、コスト分析レポートや業績管理、データ分析に必要な業務レポートなどをリアルタイムでできるようになったという。
NECとアビームコンサルティングは今回の採用について、「SAP製品を活用したさまざまなプロジェクトの経験や実績、プロジェクトマネジメント力、SAPとのグローバルな協業関係に基づくHANAへの総合的な技術対応力などが評価された」とコメントしている。導入にあたりNECは技術領域、アビームコンサルティングは業務領域をそれぞれ担当した。