日本マイクロソフトは7月2日、この7月からスタートした2014年度の経営方針を発表した。代表執行役社長の樋口泰行氏は「2014年度は、デバイス&サービスカンパニーへの変革を図る。これまでのソフトウェアカンパニーから、デバイスとサービスにも事業領域を拡大。ここに社運をかける」と意気込みを見せた。
「デバイスとサービスの分野でマイクロソフトはチャレンジャーである。シェアが高い場合の戦い方は違う。もっとアグレッシブに取り組んでいく。その一例がSurfaceである」
また「グローバル戦略の推進と日本戦略の融合を図る一方、デバイス競争に打ち勝ち、真のクラウドサービスプロバイダーへと変革する。日本品質も徹底的に追求していく」と日本での新年度の方針を述べた。
デバイスビジネスの強化としては営業体制の強化、アプリ開発支援・サービス連携、「Windows 8.1」を軸としたエコシステムの拡大、Surfaceの拡販を掲げた。
「(Surfaceについて)第1四半期(7~9月)中に法人向けの展開を開始する。6月末までに1500人の営業、マーケティングの部門に“Surface RT”を配布した。これまではSurfaceを販売しても、従業員にはインセンティブはなく、経理上での売り上げには載っていなかった。だが、新年度からは数字を掲げ、Surfaceの売上責任が生まれることになる。従業員自らが使い、その良さを伝えて売ることになる」
法人向け営業体制として「30人規模のSurface専任部門を設置するほか、米国で発表した教育分野に対するSurface RTの特別価格販売も日本での展開を検討している」と語った。樋口氏はSurfaceの販売状況についても言及した。
「量販店では4週連続でiPadを上回る販売実績となっている。量販店での展示スペースは小さいのにもかかわらず、こうした実績になったことにわれわれも驚いている。すでに法人からの引き合いも出ており、100件を超える案件が発生している。早く商談をしたいという企業はマイクロソフトに相談してほしい」
Windows 8.1プレビュー版については「多くのユーザーの声を聞き、それを1年以内にアップデートとして提供するラピッドリリースを実現したものである。スタートボタンを復活させ、タッチ機能を向上させた。10万を超えるアプリを利用でき、デスクトップ用アプリは数百万に上る。BingやSkypeとの連携も強化している」と説明した。
クラウド事業推進室を設置
「Windows XP」と「Office 2003」のサポートが2014年4月に終了することに関しても触れて、こう語った。
「この3カ月間の各種マーケティング活動を通じて、サポート終了に対する認知度は20ポイント向上し64%に、Windows XPからの移行予定や検討するユーザーが20ポイント増加して77%になった。国内でのWindows XPの利用者は6%減少した。パートナー企業への移行相談が3倍に増加しており、告知活動による効果が出ている。中堅中小企業に対しては、これからさらに告知を徹底する必要があり、その後にコンシューマユーザー向けにも告知していく」
クラウドビジネスでは、2014年度中に「Windows Azure」の日本リージョンを開設すること、Windows Azure Circleパートナーの拡大などが進んでいることに言及。Office 365では中堅中小企業への取り組みを強化するとともに、Officeクライアントのサブスクリプションモデルの浸透などについて触れた。
「Office 365は、利用ユーザーの9割が250台以下のPCを利用している企業。そのうち、85%がExchangeやSharPointを利用したことがない企業であり、新たなユーザー層を獲得している。今後も中堅中小企業向けの施策を強化していく」