アイ・ティ・アール(ITR)が7月4日に発表した予測によると、2012年度の日本国内のオンラインファイル共有サービス市場は前年度比34.6%増の35億円という。企業間の情報共有が活発化していることが背景にあると説明している。
同様の傾向が続いていることから、2013年度も前年度比28.6%の45億円と予測。市場の注目度の高まりとともに、参入ベンダーも拡大しつつあることから、2012~2017年度の年平均成長率(CAGR)は24.6%、2017年度には100億円を突破すると予測している。

オンラインファイル共有サービス市場の規模推移と予測(単位:億円、出典:ITR)
ITRシニア・アナリストの舘野真人氏は「業務のペーパーレス化の進展などから、デジタル文書を受け渡す機会は日増しに増大しています。それに伴い安全性や機密を保ちつつネットワーク経由でファイルを手軽に共有、交換したいというニーズも高まっており、オンラインファイル共有サービスは今後も、順調に市場規模を拡大していくと見られる」と解説、続けて以下のように分析した。
「現在のシェア上位ベンダーがそのまま順調にビジネスを拡大できるかについては不透明であり、現在は下位のシェアにとどまっていたり、未参入のベンダーが一気に上位に浮上したりするシナリオも考えられる」
同社はオンラインファイル共有サービスも含めたコンテンツ管理市場を調査した。コンテンツ管理市場は、企業向けコンテンツ管理システム(ECM、大企業向けと中堅企業向け)、ウェブコンテンツ管理システム(WCM)、コンテンツの利用を制御するIRM(Information Rights Management)、全文検索ソフトウェア、ワークフロー製品を対象にしている。