三井住友海上あいおい生命保険とMS&ADシステムズは、生命保険の契約者情報管理システムのクラウド基盤構築でUNIXサーバ「SPARC T5」を採用する。日本オラクルが7月4日に発表した。4月から提供しているSPARC T5の採用は、日本企業として初めてという。
三井住友海上あいおい生命の契約数は3月末時点で244万件。MS&ADシステムズは、同社の保険システム全般を構築、運用している。三井住友海上あいおい生命は2020年までに契約件数が大幅に増加すると想定し、それに伴い、契約者に関する業務処理件数も3倍以上に増加すると予測している。
契約者や販売代理店のニーズに応えられるシステム基盤を整備、強化する一方で、コールセンターや代理店などと連携した契約者情報管理システムを統合、集約し、クラウドにすることで柔軟な拡張性、事業継続性、耐障害性を強化していく方針を明らかにしている。
構築するクラウド基盤では、SPARC T5の上でOSは「Oracle Solaris 11」、データベースとして「Oracle Database 11g R2 Enterprise Edition」を稼働させる。ハイパーバイザに「Oracle VM Server for SPARC」を採用することで、将来リソースを再配置することで柔軟に性能を拡張できる。コア単位でソフトウェアライセンスを購入できることから、初期投資を抑えながら、事業の成長にあわせて段階的に投資できることも評価している。
契約者情報管理システムでは、契約件数や契約者情報の拡充に対応するため「Oracle WebLogic Suite」を採用した。アプリケーションサーバの最新版「Oracle WebLogic Server 12c」とインメモリデータグリッドソフトウェア「Oracle Coherence」をアプリケーション実行基盤として導入して、反応時間の短縮化と耐障害性も向上させる。Coherenceは、同時並列処理能力を増強して、メモリの容量を拡張できる。