通信販売大手の千趣会はデータ分析基盤を刷新する。データウェアハウス(DWH)専用機(アプライアンス)「Teradata Data Warehouse Appliance 2700(Teradata2700)」と非構造化データも分析できるアプライアンス「Teradata Aster BigAnalytics Appliance(Teradata Aster)」の導入を決定した。日本テラデータが7月9日に発表した。
千趣会は1995年の導入以来、グループ企業を含む2000人近い従業員がTeradataを顧客管理やカタログ発行、商品管理などに活用している。データ量の増加や分析内容の複雑化などで、性能の低下やディスク容量の不足などの課題が発生するようになっている。
高度な分析を専門とする部署からは、カタログ販売やネット通販、コールセンターなど複数のチャネルで発生するデータを統合して、顧客の行動をきめ細かく把握する、といった新しい分析に対応できるシステムへの要求も高まっていた。
従来システムの更改にあわせて、性能の向上とディスク容量の大幅な増加を図るとともに、非構造化データ(テラデータは「多構造化データ」という呼び方をしている)にも対応できる分析環境を新たに構築することを決定した。
千趣会では、日本テラデータが3月に発表した、構造化と非構造化の両方のデータを分析する枠組みである「Teradata Unified Data Architechture(UDA)」を採用する。UDAは、構造化データは従来のDWHで、非構造化データについてはTeradata Asterで分析するというのが大まかな仕組み。非構造化データを処理するために分散並列処理フレームワーク「Apache Hadoop」も活用する。
同社は9月からTeradata 2700を稼働させ、12月からTeradata Asterを稼働させる。Teradata Asterで通販サイトでの行動履歴やメールマガジンへの反応などを分析。その結果をTeradata 2700にも取り込んで顧客情報や購買履歴などとあわせて総合的に活用する。
顧客行動予測では、従来の購買に基づいた実需ベースの予測から、サイトの行動履歴も使った、より精度の高い予測もできるようになるという。送付するカタログの種類や時期を顧客のニーズにあわせてきめ細かく管理し、サービス向上とコスト削減も図っていく。
Teradata Asterに搭載されている関数ライブラリ「Aster SQL-MapReduce」を利用して、複雑なプログラムを開発せずに、SQL文の知識だけでデータベース内部でさまざまな非構造化データを分析することもできるようになると説明している。