日本ヒューレット・パッカード(HP)は7月9日、運用を自動化するためのソフトウェア3製品を発表した。発表されたのは、サーバ管理自動化ツール「HP Server Automation 10」、プロセス自動化ツール「HP Operations Orchestration 10」、ハイブリッドクラウド管理ツール「HP Cloud Service Automation 3.2」であり、クラウドへの対応を強化したという。
クラウド環境の自動化への注目度が高くなる中、米Hewlett-PackardのHPソフトウェア最高技術責任者(CTO)であるJerome Labat氏は「ITの世界で起こっている革新に対応するためには、どの部分を自動化するべきかプロセスを見直した上で自動化する」と全体を見直した上での自動化を実現するものと説明している。

Hewlett-Packard CTO HPソフトウェア Jerome Labat氏
ITバリューチェーンでの“配布”を改善
今回発表した製品の背景について、Labat氏は「ITの運用管理においても、モバイル、ソーシャル、クラウド、ビッグデータといったITにおける変革が大きな影響を及ぼしている」と説明する。
HPでは「コンバージドクラウド」構想を標榜しているが、パブリッククラウドやプライベートクラウド、マネージドクラウドなどタイプの異なるクラウドを統合する“Cloud OS”の必要性があるとし、Labat氏は「中層レイヤにCloud OSが存在することで、IT側は効率性の高いものを実現し、既存のリソースの投資を保護しながら変革を持ち込むことができる」と説明した。
こうした変革を見据えた上で、今回発表したソフトウェアは企画立案、構築、配布、実行というITバリューチェーンにおける配布部分を大きく改善するものとなっている。
ただし、同じ配布といってもCloud Service Automation 3.2はクラウドとエンドユーザーとの接点部分、Operations Orchestration 10はITプロセスの統治、Server Automation 10はハードウェア、ネットワーク、ミドルウェア、アプリケーションなどサーバに関わる部分のデリバリーを自動化する。
サーバ管理自動化ツールであるServer Automationは、サーバの導入から廃棄までのライフサイクル管理を自動化するツール。市場に投入してから10年が経過、日本語化も行われている。新版では導入をより簡単にするため、VMware ESXiベースの仮想アプライアンス製品「HP Server Automation Virtual Appliance(SAVA)」を新たに提供する。
SAVAは、WindowsとLinuxに特化し、オープンソースソフトウェア(OSS)のデータベース「PostgreSQL」を組み込んでおり、仮想サーバ環境の構成管理に必要なモジュールをVMイメージとしてパッケージ化することで、Server Automationのインストール時に煩雑な設定作業を必要とせず、1時間以内でセットアップできるという。