また安永氏は「今期は消費税増税やXPのサポート期間の終了があるが、その後の反動が懸念される。Office 365を提案することで今期売ったものを来期のストックビジネスにつなげた」としたほか、「2012年までAndroid搭載タブレットをビジネス市場に展開してきたが、現時点ではそのリカバリーに追われている」とし、今後は、Windows搭載タブレットによるビジネス展開にシフトしていく姿勢を示した。
サードウェーブ PC本部購買部部長の萩健太郎氏は、「オンラインゲームユーザーに対するWindows 8の提案のほか、PCにインストールしたOfficeのアタッチ率の上昇などに取り組んだ点が評価された」と説明。富士ソフト ソリューション事業本部MS部部長の森本真里氏は、「3年前に当社の秋葉原オフィスの中にマイクロソフトセンターを開設し、1000社以上が利用。企業での課題解決を提案する場所としている。約200人のマイクロソフト専任技術者を擁した展開が特徴」と受賞の背景を述べた。
頑張る日本のパートナー企業
一方、ネクストスケープ(Cloud Partner of the Year)、ワンビ(Application Development Partner of the Year)、CSK Win テクノロジ(Data Platform Partner of the Year)の3社が、各部門の最終選考に残ったが、惜しくもWinnerの受賞は逃した。
ネクストスケープ社長の小杉智氏は「動画配信サービスにおける、技術の先進性などが認められた。MicrosoftのDRM技術とAzure Media Servicesを使用したマルチスクリーン対応の技術であり、動画コンテンツを企画、編集から販売する状態までの期間をクラウドの圧倒的な速さで提供できる。これは、早い段階から、マイクロソフトと技術的解決を図りながら作り上げてきたものである」と語った。
CSK Winテクノロジ社長の古宮浩行氏は「Microsoft初のジョイントベンチャー企業として創業し、2014年で20周年を迎える。主力製品は、SharePoint、SQL Server、Dynamics。今回は、SQL Serverを活用し、ネットビジネスを行っている企業で共通ID管理をノンストップ環境で動かす機能を提供。オールウェイズオンを大規模で開発しているものとしては、ほかに例がない点が評価された」などとした。
ワンビ社長の加藤貴氏は「当社は紛失したPCのデータを遠隔消去するサービスを提供しており、製薬や生保、製造業などで大量導入の実績を持つ。Microsoftのイノベーションアワードで最優秀賞を受賞した経緯もある。今回の受賞は、電源が入っていないPCのデータを消去することができるサービスが評価された。これは、パナソニックと共同開発したものであり、ノートPCになかにあらかじめ携帯のSIMを搭載。紛失した際には、サーバを通じてノートPCの電源を入れて、BIOS上からデータを消去することができる。これは世界初の技術」とした。
Worldwide Partner Award 2013の日本の受賞者とファイナリスト各社
(前列左から)サードウェーブ PC本部購買部 部長 萩健太郎氏、NEC SI・サービス統括ユニット SI・サービス市場開発本部 主席主幹 藤岡忠昭氏、富士ソフト ソリューション事業本部MS部 部長 森本真里氏、ダイワボウ情報システム 専務取締役 安永達哉氏
(後列左から)ネクストスケープ 社長 小杉智氏、CSK Winテクノロジ 社長 古宮浩行氏、ワンビ 社長 加藤貴氏